“音”から“笑”へ
変わる特番の背景とは!?
土曜日に放送される「お笑いの日2022」(TBS系)。8時間ブチ抜きの大型特番だが、近年、この手のお笑い特番が増えている。以前は、大型特番といえば、音楽モノだった。そのきっかけとなったのが、2011年の東日本大震災。音楽の力で、被災者に“癒やしを”と、各局で大型音楽特番が放送されていった。ところが、コロナ禍で制作費が大幅にカット。それにより、大型特番が音楽から笑いへシフトチェンジしていっている。
主な理由はセットの費用だ。というのも、音楽特番はアーティストごとにセットを変えるケースがほとんど。一方、お笑い特番は、漫才はマイク1本、コントも大道具で対応できる。また、「お笑いの日」のように、お笑いコンテスト(キングオブコント)とくっつけることで緊張感をあおることも。つまり、番組構成にも緩急がつけやすいのだ。懸念があるとすればネタの重複だろう。初出しネタを期待する人が多い中、これだけ特番が増えているのだ。芸人からは正直、初ネタばかりはキツイという声も…。唯一、笑えず苦悩してるのは、出ている芸人なのかもしれない。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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