読者発 巡ってきた12年に一度の“主役”ワンちゃん川柳
- 2017/12/26
- フロント特集
2018年は戌(いぬ)年。干支(えと)にちなんで、ワンちゃん川柳を大募集。面白エピソードや愛犬の深層心理が表現された川柳に笑い、癒やされ、笑顔あふれる一年となりますように…。選考は全日本川柳協会常任幹事で、和歌山県川柳協会副会長の川上大輪さんにお願いしました。
その目で
すべてわかります
和歌山市/ぷーちゃんママ
講評補足説明は不要。さてさてワンちゃんは何を訴えているのでしょうか…。愛犬家なら分かりますよね
スーツケースに
もぐり込む
和歌山市/なっちゃん
講評置いていかないで~。写真も面白く、うまく表現されています。「俺」を「僕」にすると句がやわらくなり、感じが変わります。
また出掛けるの
おれ置いて
和歌山市/SH
講評ワンちゃんの気持ちがよく表れています。「あらいやだ」が市原あ悦子調、いや女の子口調なので、「ぼく」の方がグッド!!
介護へ孫の
オムツ借る
和歌山市/中西宏夫
講評着眼点が素晴らしい。人間同様、ワンちゃんの介護も深刻化している昨今。時代を上手に反映しています。
なんとしてでも
阻止するぞ
和歌山市/竹内修子
講評お留守番が嫌いで猛アピールしているのでしょう。ワンちゃんの感情がストレートに伝わってきます。
ご飯増えない
あきらめろ
和歌山市/ぽっかぽか
講評ダイエットのためにご飯を減らされているのかでしょうか。「ご飯」は食べる量が決まっているので、「おやつ」でもいいかも。
出したつもりが
長い鼻
和歌山市/hitomin
講評写真も上手ですね。なるほどな〜と思いました。ワンちゃんも自分の鼻が長いことを自覚しているのかな?
まだかまだかと
三度寝た
和歌山市/ベルママ
講評ふて寝のつもりが、寝ても寝てもご主人さまは帰って来ない…。ワンちゃんの気持ちがダイレクトに示されていますね。
ひとりになりたい
時もある…
和歌山市/犬の母さん
講評甘えたのワンちゃんもたまには“お一人さま”を満喫。「ひとりになりたい」を「ひとりでいたい」とすれば七文字に。
お手もごはんを
もらうとき
和歌山市/みぃ
講評芸をするのは何かをもらうとき。その他は何もしない…。ワンちゃんもなかなか賢い! 句に面白さがあります。
チラ見姿が
叱れない
和歌山市/おにぎり
講評句としては“単なる説明文”ですが、「チラ見姿」という言葉の響きと、写真のワンちゃんのかわいさに負けてしまいました。
僕をかってくれ
ありがとう
和歌山市/モモちゃんパパ
講評おばあちゃんへの感謝の気持ち。他の動物にも言えそう…。「僕をかってくれ」を「かっててくれて」とすれば七文字に。
散歩遠のき
ふまん顔
和歌山市/クーかあちゃん
講評そう思っているのは飼い主さんだけでは? それもまたかわいさでしょう。決してブサイクには見えませんよ。
医師から一言
気にしすぎ
海南市/桃栗三年柿八年
講評人間もワンちゃんも悩みは同じ。「医師から一言」を「医師から言われ」、「気にしすぎ」を「気にしてる」とするとなお良し。
今回、大変レベルの高い川柳が集まりました。もっとダジャレっぽいものが多いかと思いきや、皆さんなかなかの腕前で。犬が主役であることを前提に、発想力と表現の豊かさに着目して選定しました。俳句は自然や四季を文語体で詠み、川柳は人間模様や社会風刺を口語体で詠むのが一般的。堅苦しい表現は避け、無駄な言葉を省き 、足らない部分を補うのが作句のコツ。字余りにならないよう最適な言葉を見つけていくのも川柳の面白さです。