被災地での体験、経験を生かして⑳
- 2018/10/11
- コーナー
- 考えよう災害時の備え, 過去の人気連載コーナー
和歌山大学クリエプロジェクト「防災のつどぴ」が発足
災害から生き抜くために、自分たちができることは?
まずは見て、足を運んで学ぶことから
学生がプロジェクトを立ち上げて、能動的な学びをサポートする和歌山大学の教育制度「クリエ(協働教育センター )」。今年4月に入学した学生が、災害から生き抜くために自分たちにできることを考えていく「防災のつどぴ」を設立し、現在、14人で活動しています。 「僕は奈良県から通学しているのですが、和歌山大学に入学して一番恐れているのが南海トラフ巨大地震。『クリエ』には入学前から関心があって研究テーマを調べていたら、不思議と防災に関するプロジェクトがなくて、友人と2人で発足させました」と代表の西川聖哲さんは話します。
「部活にもサークルにも所属していなくて、誘われたからなんとなく加わった」というメンバーも少なくありませんが、今夏は、大阪府北部地震、西日本豪雨、台風21号など数多くの自然災害に見舞われ、みんなの意識が変わりました。
大阪府北部地震で自宅の家具が倒れ、割れた食器類が散乱した近藤忠仁さんは、「突っ張り棒で転倒防止策はとっていたものの…。もっと本気になって防災、減災対策を考えなければと思った」と、西日本豪雨で被害が大きかった岡山県真備町へボランティアに。齊藤尚輝さんと中尾比呂人さんも、愛媛県宇和島市に駆けつけ、「みかん畑で流木を拾う作業をお手伝いして、いい経験になりました」と。
さらに、地域の課題を学生が調査する「地域インターンシップ」で那智勝浦町色川地区を訪れた藤本多敬さんと齊藤さんは、「高齢化が進む集落で、災害が起こったときに生き伸びられるよう、学生の力を借りて防災計画をつくりたい」と依頼を受け、今後は「防災のつどぴ」の活動として、計画策定を目指します。その第一歩として、夏休みに、研修旅行を実施。メンバーで那智勝浦町を訪ね、いまだ紀伊半島大水害の傷跡が残る現場や、和歌山県土砂災害啓発センターなどに足を運びました。「まだまだ設立したばかりで、防災や災害に関する経験値が低い僕たちですが、一人でも多くの人に防災に関心をもってもらう活動を展開していきたい」と西川代表。11月には防災キャンプにも参加します(左上参照)。
※次回11月10日号掲載
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