被災地での体験、経験を生かして⑰
- 2018/7/12
- コーナー
- 考えよう災害時の備え, 過去の人気連載コーナー
和歌山県キャンプ協会理事・林美由貴さん
非日常の自然の中で生き抜く術を身に付けて
もしものときに役に立つ“防災キャンプ”の経験と知識
和歌山県キャンプ協会理事、和歌山県シェアリングネイチャー協会副理事長を務めるキャンプの達人・林美由貴さんは、野外活動で得られる知識や技を、災害時に役立てる「防災キャンプ」を指導しています。
林さん自身、防災への意識が高まったのは、2008年に起こった岩手・宮城内陸地震がきっかけ。「かつて栗駒山で野外教育の勉強をしていたことがあって、地震直後、何かお手伝いができないかと思って、お世話になった自然学校に駆けつけました。阪神・淡路大震災のときもボランティアで行きましたが、“明日はわが身”と真剣に考えるようになったのは、岩手・宮城内陸地震以降」と振り返ります。
その後は、東日本大震災や紀伊半島大水害、熊本地震などの被災地を訪れ、現在、勤務している和歌山大学の学生と一緒に泥かき作業をしたり、「RQ災害教育センター」の活動としてボランティアセンターの運営に携わったりしてきました。実際に被災地で見てきた経験があるからこそ、災害時に何が役に立つのか、どんな行動が大切なのか防災キャンプを通じて伝えています。
「自然の中で生活することは非日常の世界。テントを張って、電気もガスも使えない中で、調理をして一夜を過ごす…、その体験と達成感は深く印象に残ります」と。「もしも災害が起こったら…。それは子どもにとっても大人にとっても初めての経験。大人が子どものお手本になるわけではなく、子どもも子どもなりにスキルが必要」と林さんは指摘します。
※次回8月11日号掲載
林みゆきさんが伝えたい災害時の備え
◆常時の模擬体験が実践に生きる
◆プレート型地震と直下型地震は別物。どちらが起こってもとっさに判断できるよう、“その対策が”何のために”かをあらかじめ理解して行動を
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