胃を動かすための電気信号と収縮運動の同時測定に初成功
病気の早期発見や治療に期待
機能性胃腸症やパーキンソン病、うつ病など

和歌山県立医科大学が、胃のペースメーカー電位(胃の周期的な収縮を作り出す細胞の電気信号)と、胃の収縮運動の同時測定を世界で初めて成功したと発表。臨床応用されれば、機能性胃腸症やパーキンソン病など、脳や全身の病気の診断・解明、早期発見・治療にも役立つとされています。

胃電図と高速MRIで診断・解明へ

会見を行う金桶教授

胃には、ペースメーカー電位と呼ばれる神経細胞が網目のように分布し、1分間に約3回の電気信号でつながり、収縮運動を行っています。
電気信号による胃の収縮運動を測る際、心電図のように体に負担をかけず、外部から電極を当てる胃電図がありますが、胃だけでなく、他の臓器の電気信号を捉えることがあり、実用化に至っていません。そのため、胃面積の変化で収縮運動を測る高速MRIの動画撮影の応用が始まっていますが、ペースメーカー電位との関連性は報告されていませんでした。

今回、県立医科大学医学部生理学第一講座の金桶吉起(かねおけよしき)教授が、新たに開発した手法は、胃電図と高速МRIを使って、ペースメーカー電位とそれに伴う収縮運動を同時に測定するというもの。研究は今年1月、20代の健康な男女24人で実施。結果、収縮運動の周期がほぼ一致していることが分かりました。これにより、周期が一致しない場合は、何らかの疾患の可能性があり、それらの診断・解明に役立つとされています。

近年、「脳腸相関」といわれるように、脳と消化管は自律神経でつながり、互いに影響を及ぼし合っていることが分かっています。
金桶教授は「内視鏡検査では異常が無いのに、ストレスや緊張で起こる腹痛や胃痛、吐き気といった機能性胃腸症の診断・解明や、消化管神経から始まると指摘されているパーキンソン病やうつ病のような脳神経性の病気の早期発見や治療、症状改善の道も開けます」と説明。
高速MRIなどの設備はおおかた整っているとし、「注目され、研究が進めば、将来的に臨床応用が可能になるでしょう」と話しています。

今後の医学の進歩に期待が寄せられています。

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