育てるシリーズ⑤ 菜育(さいいく)
- 2016/6/2
- フロント特集
子育てに取り入れたい“育(いく)”の話。子どもの育ちはもちろん、親としての育ちも豊かになる話題、今回は「菜育」として、野菜を通した子どもたちの学びについて。キッズ野菜ソムリエを育てている土谷千鶴さんに聞きました。土谷さんによる「キッズ野菜ソムリエ養成講座」も企画し、受講キッズを募集します。
興味を持つことから始める
野菜ソムリエが教えることは
子どもは、どんなことにでも興味津々。そんな好奇心を刺激して、身近な食べ物について学べば、嫌いな野菜も克服できるかも―。子育てに取り入れられるヒントを届ける「育~そだてるシリーズ」。今回は、アクティブ野菜ソムリエの土谷千鶴さんが登場(写真)。“菜育(さいいく)”として、野菜をツールとした“学び”を提案。土谷さんは野菜ソムリエとしてベジフルライフを実践しながら、その魅力を広める活動をしており、一環として「キッズ野菜ソムリエ」を育てる講座を大阪などで行っています。
野菜を通して、子どもたちに学んでほしいことは―。土谷さんに聞きました。
姿や形がそれぞれに違う
五感を総動員して野菜を知る
土谷さんは、日本野菜ソムリエ協会が認める「キッズ野菜ソムリエ」を育てるための講師。4歳~小学6年生の子どもを対象とし、60~90分の講座を通して、野菜について学んでもらい、受講した子どもたちをキッズ野菜ソムリエとして任命します(講座の詳細については下記参照)。
講座で使うのは、トマト。同じトマトでも桃太郎品種やミディートマト、ミニトマトなど、色や大きさ、味が違うものがあります。そんな種類の違うトマトを使い、観察をすることから始めます。ただ見るだけではなく、触ったり、匂いをかいだり、そして、食べてみてどんな味がするのか、かんだときの音は…、まさに五感を使ってトマトを感じ、一人一人が思ったことを書き留めたり、言葉にして発表します。
「トマトが苦手な子は食べなくてもいいんです。味以外の感じたことを言葉に表現します。子どもたちの“嫌い”という感想も、何が嫌いなのか、その理由も伝えてもらうようにします。もちろん“おいしい”も一緒。何がおいしいのか、どんなところが好きなのか、具体的な答えを引き出します」と土谷さん。
こうして、“伝える・表現する”ためには、“じっくりと観察”したり、“見るだけじゃない五感を使って物事を捉える”ことが必要だと子どもたちは学びます。「次に何か別の野菜を見たときに、その形や手触り、匂い、食感…を確かめてみたくなる。そんな体験をしてほしい。そして、これは野菜のことだけに限らず、あらゆる物事を見て・感じて・表現する力につながると思います」とも。
土谷さんが行ってきたこれまでの講座では、トマトが苦手だった子が、思わず“食べちゃった”ことも。「数種類のトマト、しかも新鮮なものを用意します。観察をしていくうちに、ちょっと食べてみようかなってそそられるんです。それでも嫌いなら、それは仕方のないことですが、もし、苦手が克服できたらステキなことですよね」と、土谷さんは話します。
菜育(さいいく)で好きなものが増える!
かっこいいエプロン姿で野菜博士に!
キッズ野菜ソムリエになるための講座は、その他にも実験などで楽しみながら学べる内容。「はてなボックス」として、箱の中にある野菜を手触りだけで当てるクイズも。土谷さんは、「料理として出される野菜が、元はどんな形をしているのか知らない子も多いんです。私たち人には一人一人に名前があり、顔もそれぞれ違うように、野菜にも個性があって、まずは姿や形を知ることから興味を引き出し、食への関心を高めたい」と話します。
講座に参加した子どもは、修了後にキッズ野菜ソムリエとして任命されるとともに、黄色いチーフと黒いエプロンが与えられます(写真左)。任命されたキッズ野菜ソムリエには、使命があります。その日学んだことを、誰でもいいので必ず1人には伝えること。これは、人に自分の思いや考えを伝える実践になります。
さらに今後は、キッズ野菜ソムリエだけが参加できる体験講座やイベントが企画される予定。例えば“チョコベジパーティー”。新鮮な野菜をチョコソースで食べる講座。「意外な組み合わせですが、野菜の大切な栄養素の吸収をカカオオイルが助けるので、効率のよい食べ方なんです。そして、不思議!嫌いな野菜も、チョコと一緒なら食べられる子どもさんが多いんですよ」と土谷さん。
まずは、キッズ野菜ソムリエになるための講座から(下記参照)。今年は、夏休みの自由研究のテーマに“野菜”はいかがでしょう。興味を持ちそうな子どもには、ぜひ勧めてみてください。
〜「リビング和歌山」特別企画〜 キッズ野菜ソムリエになろう
日時 | 7月2日(土)午後1時半~3時ごろ |
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場所 | リビングカルチャー倶楽部 フォルテ教室 (和歌山市本町2-1フォルテワジマ4階) |
受講料 | 1620円 ※教材費3000円程度別途 (エプロン・チーフ・任命書と名刺などを含む) |
対象 | 4歳~小学6年生 (同伴の保護者には後部座席を用意します) |
定員 | 15人(最少開講人員5人) |
申し込み・問い合わせ | 073(421)4411 リビングカルチャー倶楽部 フォルテ教室 (受け付けは月~土曜午前10時~午後6時半) 当日は記念撮影もします。白シャツ着用で来てください。また、ソムリエ資格を持つ保護者の方は、ぜひ「野菜ソムリエスタイル」をご用意ください。一緒に記念撮影できます |