鱧の街・菓子の街海南プロジェクト実行委員会発足
ミッションは海南を代表する
名物料理とおみやげを生み出すこと
紀の川や有田川の恵みを受けて育ったハモがとれ、全国に2カ所しかない“お菓子の神様”を祭っている橘本神社がある海南市下津町で、ユニークな町おこしが始まっています。
今年4月に発足された「鱧の街・菓子の街海南プロジェクト実行委員会」。その名の通り、ハモと菓子で海南をPRしようという取り組みで、新たな“海南名物”を生み出そうと飲食店や菓子店らが結束して動き出しました。
地元の戸坂漁港で水揚げされるハモは、京都の老舗料亭で特に重宝されてきた高級品。また、仁義地区で栽培されるビワは、果汁が多くて果肉がやわらかいと評価が高く、「紀州ハモ」のブランド化とビワを使った菓子の商品化を目指しています。
「海南には黒江の漆器や鈴木屋敷など歴史的資産がたくさんあります。でも、せっかく足を運んでもらっても、海南の名物料理は?名菓は?と聞かれると胸を張って答えられるものがない。それを打破したかった」と、レストラン「シャンボール」(海南市大野中)のシェフで、同実行委員会事業推進委員長の前田洋三さんは説明します。
ハモ料理の試食会、菓子勉強会開催
平成28年度にブランド化、商品化
同実行委員会は、「鱧グループ」「菓子グループ」「企画立案グループ」に分かれ、それぞれ平成28年度中のブランド化、商品化を目標にしています。
「鱧グループ」では、7月27日にハモ料理の加工技術講習会を開催。そして、参加した飲食店の料理人らがそれぞれ、ハモを使ったオリジナル料理を考えて持ち寄り、8月5日に試食会が行われました。「ハモカツバーガー」「ハモ巻きずし」「ハモたこ焼き「ハモカツのドリア」など約20品がずらりと登場。試食会に招かれた和歌山県海草振興局健康福祉部の尾崎正明部長は「どれもおいしいけれど、ハモは淡白な魚なので、“あ~ハモや”というパンチ力に欠けるかな」と指摘していました。
さらに試行錯誤を繰り返し、11月をめどに独自のハモメニューを完成させて、マスコミや一般の人を対象にした発表会を実施する予定。来夏のハモの旬の季節には、海南海草エリアの飲食店で、各店自慢の“紀州のハモ料理”が味わえます。
一方、「菓子グループ」は8月25日に、お菓子の神様と歴史を学ぶ勉強会を実施。橘本神社の前山和範宮司の話に、菓子業界関係者らが熱心に耳を傾けていました。
今後は、新たな海南の名菓となりうるビワを用いた菓子を検討。同時に、毎年4月に開かれる橘本神社の「菓子祭・全国銘菓奉献祭」に合わせて、「かいなん菓子まつり(仮称)」、「スイーツコンテスト」が開催できるよう準備を進めていきます。
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