紀の国わかやま文化祭 未来へつなぐ人 vol.06
フラメンコと日本の伝統文化の融合 祈りの道から始まる時空を超えた旅
- 2021/9/2
- コーナー
- 紀の国わかやま文化祭未来へつなぐ人
スペイン・アンダルシア地方発祥の「フラメンコ」。同地に定着した少数民族が、土着の歌や踊りを取り入れ、自分たちの気持ちを表現したのが始まりとも。歌、踊り、ギターが一体となって繰り広げる独特の世界観に魅せられる人も少なくありません。
和歌山市を拠点に、世界で活動するフラメンコ舞踊家・森久美子さんもその一人。「人間の感情を全て表現できる踊りです」と話します。きっかけは今から約40年前、『スペインギター曲集』という一枚のレコードを手にしたことから。“本場のフラメンコを見たい”、その一心で当時、小学生の娘2人を連れてスペインへ。「手探り状態。各地を回りながら身につけました」と振り返ります。
定期的にスペインへ足を運び、自身のスタイルを確立。2008年に開いた「アカデミア『ラ・ダンサアンダルシア』」では、本場の踊りを肌で感じてもらおうと、プロダンサーを迎えることも。次女で舞踊家の知念響さんは「日本フラメンコ協会」主催のコンクールで新人賞を取るなど、活躍の場を広げています。
伝統・古典的なものが継がれる一方、他の舞踊・音楽などを取り入れたものも注目されています。国文祭で披露されるのは森さんオリジナルの演目。世界遺産の巡礼道である熊野古道とサンティアゴ・デ・コンポステーラ(スペイン)が舞台です(左記参照)。和と洋の融合、「フラメンコの持つパワーで皆さんを元気にできれば」と。祈りの道から始まる時空を超えた旅物語が展開されます。
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