“糖化”を防いでエイジングケア あなたのAGE値は?

 「AGE(エー・ジー・イー)」という言葉を知っていますか?それは、体内のたんぱく質が“糖化”することで生じる物質で、体の“老化”に関わっていると分かってきました。そのAGEの正体とは!?また、自身のAGE値が分かる測定会も企画しました。

たんぱく質と糖に熱が加わると…
焦げつく“糖化”が老化の引き金に

いつまでも健康で若々しくいたいものです。そんなエイジングケアのための新しいキーワードが“AGE”。体内で、過剰に摂取した糖とたんぱく質に熱が加わって結び付くことで生じる物質のことで、「終末糖化産物」ともいわれます。これが、いわゆる“老化”の原因だと研究が進んできました。

このAGEについて、昨年1月の会の発足当時から、和歌山市を中心に啓発活動を続けている「わかやま健康管理士会」に、AGEについて教えてもらいました。

「酸化といえば“さびつく”イメージですよね。AGEは、たんぱく質の“糖化”によりできる物質です。例えば、炊飯器で炊いたご飯を保温したままにしておくと、ご飯が黄色く変色し、固くなります。“糖化”は、そんな“焦げつく”イメージです」と話すのは、同会の代表理事・高島千恵さん。

AGEが増えるとどうなるのでしょうか。そして増やさないための対策は!?さらに解説してもらい、同会の協力により、AGE測定会も実施します。

高島千恵さん
わかやま健康管理士会代表理事、健康管理士一般指導員、健康管理能力検定1級、AGEトレーナー

わかやま健康管理士会とは
県内の健康管理士8人により昨年1月に発足。AGEの啓発を通し、地域の健康づくりを推進。AGE測定会やセミナー、また運動実践としてノルディックウオークの体験イベントなどを実施しています
▶LINEアットで情報を発信中https://line.me/R/ti/p/u2qQB5m8a1

肌のハリやしわ、たるみ
骨や血管、さまざまな臓器にも影響

「たんぱく質は、私たちの体の細胞を構成する重要な要素。特に筋肉のもとになることで知られていますよね。もちろん、糖も体のエネルギー源なので、必要な栄養素です。しかし、過剰に摂取すると、余った糖が体内でたんぱく質と結び付いてしまって糖化し、AGEとなって蓄積します」と高島さんは解説します。そして、「AGEは、細胞の再生を促すなど体を組織するために必要なたんぱく質が、余分な糖でベトベトになって硬くなり、柔軟性がなくなって、機能しなくなってしまうというイメージです。これが、いわゆる“老化”を招いている物質だと分かってきたんです」とも。

高島さんによると、肌を例に挙げると、そのハリや柔らかさは、コラーゲンやエラスチンなどのたんぱく質が支えているから。それらの要素が糖化してしまうと、肌にはハリがなくなり、しわやたるみ、また、くすみやシミの原因になってしまいます。

その他、例えば骨。主成分はカルシウムとたんぱく質ですが、そのたんぱく質が糖化すると、白い骨は茶色く変色し、もろくなって骨粗しょう症に。さらに、骨のカルシウムが溶け出し、血管で石灰化すると動脈硬化の原因にも。「肌や骨に限らず、血管や体のさまざまな臓器で、同じように糖化が進んでAGEが蓄積すると、病気のリスクが高まるともいわれています」と高島さん。

なんとなく“年齢のせい”と思っていたことが、実は“糖化”が引き金に。AGEをためないようにするには、どうすればいいのでしょうか。

食事の仕方、調理の方法を考えて
ゆっくり食べて腹八分目に

「体内でAGEを増やさないようにするには、血糖値がポイントになります。血糖値が高い状態が長く続くと、糖がたんぱく質に接する時間が長くなるので、多くのAGEが作られることに」と話す高島さん。

では、高血糖な時間を短くするためには?「ベジタブル・ファーストです」と話す高島さんによると、食物繊維は糖質の吸収を抑える働きがあるため、しっかり野菜を食べることと、ご飯や麺類など、摂取すると糖質に変わる炭水化物よりも、野菜の食物繊維を先に食べると血糖値の上昇を緩やかにできます。野菜の他にも、食物繊維の多い納豆や海藻類、きのこ類なども積極的に取ることを推奨します(図1)。

「短時間に一気に食べてしまうと、急激に血糖値を上げることにつながりますので、よくかんでゆっくりと食べましょう。食べ過ぎると血液中に糖があふれだしてしまいますので、腹八分目を心がけて」。間食に甘い物を食べがちな人は、できるだけ食後のデザートとして食べることもアドバイスします。

食事で注意することがもう一つ。「食品によっては、すでにAGEを多く含んだものがあります。また、同じ食材でも高温で調理したものほどAGE値が高くなるんです」と高島さんは説明(図2・3参照)。

「肉や魚、食パンなどを焼いたときの焦げは、メイラード反応(糖化)で、まさにAGEそのもの。こんがり焼いたり揚げたりしたものは、食欲をそそりますが、AGEが高いということを認識して、調理法を工夫したり、食べたいときは野菜や低AGEの食品を取り入れることをおすすめします」

 

 

 

 

喫煙や睡眠不足、ストレスも!
あなたのAGE値を測ってみませんか

「その他にも、喫煙、適量を超えた飲酒、睡眠不足、ストレス、紫外線などがAGEを増やすことにも。また、清涼飲料水が好きな人も要注意です。ジュースなどに使われる人口甘味料は、ブドウ糖の約10倍の速さでAGEを作るといわれています。取り過ぎないよう気をつけましょう」と高島さん。

食事だけではなく、日ごろの生活習慣も関わります。適度な運動は健康づくりに欠かせませんが、AGE対策についても同様。高島さんは、「血糖値が上がるのは食事の1時間後ぐらいなので、食後30分ぐらいから軽い運動を取り入れて。ウオーキングやストレッチ、食器洗いや掃除程度の家事、買い物などでもいいので、こまめに体を動かすこと」と、食後の運動を推奨します。

さて、あなたのAGE値がいったいどれくらいか、気になりませんか?

和歌山市保健所が行う「ピンクリボンイベント」では、高島さんによる講演と測定会があります。また、弊社が3月31日(日)に開催する「みんなの健康フェア」では、わかやま健康管理士会によるAGE測定会を実施します。

「ショックな数字が出るかもしれませんが、測定を機に“AGE”について知り、その対策を継続していくことが大切なんです」と高島さん。まずは、あなたもAGE値を測ってみましょう。

3月1日~8日の「女性の健康週間」にちなんで和歌山市保健所が開催する“ピンクリボンイベント”として、高島さんが「老化をすすめる生活、若返る生活」をテーマに講演。AGE値を測定し、2本のポールを使って歩く「ノルディックウオーク」を体験します

日時 3月10日(日)午後1時半~4時半
参加 無料
会場 和歌山市役所14階大会議室 (同市七番丁)
対象・定員 和歌山市在住の50人(多数の場合抽選)
申し込み方法 2月28日(木)までに電話で下記まで
問い合わせ 和歌山市保健所地域保健課
電話 073(488)5121

和歌山リビング新聞社が開催する「みんなの健康フェア」で、わかやま健康管理士会による「AGE測定会」を実施。実際に測ってみて数値を確認し、これからの食生活に役立てましょう。

日時 3月31日(日)午前10時~午後4時
会場 フォルテワジマ4階(同市本町2-1)
申し込み 不要 直接会場へ
問い合わせ 和歌山リビング新聞社(祝日を除く月~金曜午前9時半~午後6時半)
電話 073(428)0281

「みんなの健康フェア」についてはこちら

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