禁断の果実“やらせ”
手を染めた理由とは?
今どき、こんな“ザ・やらせ”があるとは…。事前に準備した珍種生物を、自然に捕獲したように放送した「クレージージャーニー」(TBS系)のことだ。好きな番組だっただけに、なぜ。悪い薬同様に、分かっちゃいるけど、止められない状態だったのか。やらせは、その本人のモラルに一番の問題がある。だが、テレビ業界の構造にも多少なりとも原因が。少ない予算、限られた時間で、結果(面白いモノ)を撮影しないといけない。要は、プレッシャーが半端ないのだ。一部週刊誌によると、クレージージャーニーの制作トップが、ADにパワハラまがいのことをしていたという。これが真実なら、そういう体質が、番組内に、はびこっていたといえる。そんな圧を感じ、つい一線を越えたといったところだろう。といっても、生物を捕獲せずとも、面白い演出を考えることに知恵を絞るべきだ。こんな“やらせ”で、他のスタッフが否定されるのは、居たたまれない。こうなれば、過去のやらせばかりを集めた「クイズ!やらせはどこだ?」という新番組をしては? 驚くほど、その映像があったりして。
文:岡内義人
読売テレビ「土曜はダメよ」「かんさい情報ネットten.」、ABCラジオ「征平・吉弥の土曜も全開」など番組構成や、テレビCMなどを手がける
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