どこまで手を加えるか、予算を決めて
「戸建ての選択肢シリーズ」の最終回は、「中古住宅を自分好みの空間にリノベーションして住まう」というスタイルについて。中古物件の買い取り・再販に力を入れる「サンクリエーション三木町支店」(和歌山市和歌町)の喜多裕紀さんに、いろいろと聞きました。
「まず、最大のメリットは、希望のエリアで要望に合った大きさの土地に巡り合うケースが非常に多いことでしょうかね…」。2018年10月時点で、和歌山県内の空き家数は9万8000戸と、住宅総数の5分の1を占めています。更地を探すより、中古物件付きの方が、希望する場所で見つかりやすいというのは納得できますよね。「しかも、年数が経過した中古物件には“建物の価値”がほぼありませんので、住宅取得にかかる費用は抑えられます。問題はどこまで手を加えるかです」と言います。
注文住宅は、すべて自分仕様で新品まっさら。建売住宅は、仕様の決まった真新しい家をそこそこの価格で購入。規格住宅はその中間。「中古住宅は、自分仕様にリノベーションでき、設備も新しくできます。断熱や気密など性能を高めることも可能。しかし、注文住宅と同じくらい打ち合わせに時間がかかり、耐震強度やもともとの間取りにより、すべてが望み通りにいくとは限りません」と。また、「外観はどうしても中古感が残ります。そこまでやり変えると費用は膨らむばかりで、新築を上回ることも。見境なくお金がかけられるのはリノベーションの恐ろしいところです」とも。
さらに、喜多さんは、「リノベーションは、どうしても内装に目がいきがちですが、安心して住むには家自体の修繕も大事。耐震診断や住宅診断を受けて、不具合があれば補強、修繕をおすすめします。こういった補修に対しては、行政の補助金が受けられる場合もあるのでうまく活用して」と話していました。
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