予算は膨らむ傾向に、妥協も必要
憧れのマイホーム。和歌山県では、「マイホーム=一戸建て」が主流な中、新築を“建てる”か“買う”か、中古をリノベーションするかは、予算や価値観、住まい方によって人それぞれ。「戸建ての選択肢」シリーズの第2回は、“質にこだわる、美しい暮らし”をコーディネートする「ユニテクノス建築設計事務所」(和歌山市匠町)の北村雅信代表に、「注文住宅(フルオーダー)」について聞きました。
「オーダーメードで服をつくるのか、大量生産の既製服を買うのか…。生地から選んで仕立てるとコストも時間もかかりますが、こだわりが反映され、ジャストサイズに仕上がります。既製服はピンからキリまでありますが、大衆に好まれるデザインで、特定のサイズが用意されています。住宅もそれと同じです」と北村さんは説明。
注文住宅といえば、なんといっても自由設計が魅力。予算と法律が許せば、よほどの無茶を言わない限り、どんな家でも建てられます。間取りからはじまり、木材や断熱材、窓の種類といった仕様まで、新築に関わるすべての項目について、事細かに施主の意向を聞いて建築士が設計。図面でのやりとりのため、完成形がイメージしにくいとの声もありますが、「今は、パースのクオリティーがすごく高いので、そういう心配は不要」ときっぱり。
とはいうものの、一からすべて決めていかないといけないので、“理想の家”を具現化するためには、建築士との入念な打ち合わせが不可欠。また、あれもこれも盛り込むと、予算は膨らむばかりで、「こだわるところと妥協するところ、どう折り合いをつけていくかが大事。そのあたりは、建築士の提案に耳を傾けて」とアドバイスします。
また、最近の傾向として、デザインに加え、性能にこだわる人が増えているのだそう。「特に若い人は、“省エネ”という言葉に敏感。車の燃費を気にされるのと同じ感覚で、生涯で考えると絶対に省エネ住宅の方がお得に住めますから。皆さん、ムダに大きな家を求めず、高性能なおうちを建てられます」と教えてくれました。
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