知っておきたいイマドキの“住宅キーワード”。今回は「長期優良住宅」について、セキスイハイム近畿和歌山支店(和歌山市栗栖)第2グループ・グループ長の松田尚洋さんに解説してもらいます。
「長期優良住宅とは、長きに渡って安心・快適に暮らせる家のこと。国が定める認定基準を満たさなければ、“長期優良住宅”を名乗れません。これまで日本の住宅は“スクラップ&ビルド”を繰り返してきましたが、ここに来て長く住み続けられる“ストック型”へと政策転換。2009年に『長期優良住宅の普及の促進に関する法律』が施行されました」と説明。
国土交通省によると、18年度末の認定累計戸数は100万戸強(新築・増改築合計、一戸建て・共同住宅の合計)。認定戸数は年間10万戸程度で推移していて、新築一戸建ての約4戸に1戸は認定を取得しています。
では、認定を受けるにはどうすれば良いのでしょうか。戸建て住宅は、①劣化対策②耐震性③維持管理・更新の容易性④省エネルギー性⑤居住環境⑥住戸面積⑦維持保全計画で、それぞれ基準が設けられていて、技術的審査を受け、認定申請を行います。「認定基準は、住宅性能表示制度の評価方法が引用されています」とのこと。
長期優良住宅に認定されれば、住宅ローンの金利の引き下げ、住宅ローン控除の拡充、登録免許税の税率引き下げ、固定資産税の減税期間延長、地震保険料の割引など一般住宅よりも手厚く優遇されます。ですが、申請費用がかかり、基準を満たすために建築費がかさむ場合も。また、家が完成して終わりではなく、長く安心して住み続けるために定期点検・メンテナンスも求められます。
「ハウスメーカーは長期優良住宅を標準としているところがほとんどです。家を新築する際、認定を受けるかどうかは別として、『長期優良住宅』が建てられるだけの知識、技術があるかが、住宅会社を決める一つの判断材料になると思います」と話していました。
関連キーワード