美容後遺症に悩む患者のために
高齢化社会の到来とともにエイジングケアへの関心が急速に広がり、美容医療・美容治療への患者のニーズがますます高くなっています。しかし、その一方で美容後遺症に悩む患者も増えてきているのが現状です。
美容外科は形成外科の一つの分野であり、高度な形成外科の知識と技術が要求されます。和歌山県立医科大学附属病院(和歌山市紀三井寺)の形成外科に、10月14日に「美容後遺症相談外来」が開設されました。
「最近では、美容医療の進歩により、エイジングケア治療としてレーザー、ケミカルピーリング、各種注入剤など、メスを使わない美容医療が増えています。特にトラブルが多いのは、非吸収性異物注入による豊胸術後の後遺症です。また、注射でなくても、シリコンバッグの破損などのトラブルもあります。そのほかにも、目の下のたるみやほうれい線の改善ために異物を注入したことより、感染症を発症しているケースもあります」と、新外来発足の背景について語る、形成外科・朝村真一教授。
新しく開設された「美容後遺症相談外来」について、担当する白川裕二医師は、「美容後遺症に対して、相談できずに悩んでいる患者さんのための窓口です。後遺症には、検査から修正手術など、患者さんと話し合いながら対処しますので、ご安心ください」と話しています。
エイジングケアを目的とする美容外科的治療や美容皮膚的治療においては、どれも患者自身の美的欲求を満たすもので、どうしても患者主導の治療になりがちです。だからこそ、治療法やそのリスクについては、複数の専門医への相談を含めて多方面からの情報収集に努めることが、患者自身にも求められています。
和歌山県立医科大学附属病院の「美容後遺症相談外来」の診療日時は、毎週水曜午後1時半~2時半。電話予約センター073(441)0489へ(月~金曜午前9時半~午後4時 ※祝日除く)。
※美容医療は健康保険適応外ですが、医師に相談してください。ただし、美容後遺症相談外来は自費診療となります
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