見た目も大事、建物内外部の手入れを
和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・岩端芳則さんに、相続物件の売却についてアドバイスしてもらうシリーズ。宅建業者と媒介契約を結んだら、いよいよ販売開始となりますが、「その前に、インスペクション(建物状況調査)について触れておきますね」と岩端さん。
中古物件の売買において、「契約後に欠陥が判明したら…」という心配は売り主にも買い主にもつきもの。「双方の不安を解消するためにも、インスペクションを受けてみてはいかがでしょうか」と、岩端さんは言います。インスペクションとは、住宅(戸建て・マンション)の基礎や外壁のひび割れ、雨漏りといった家屋の劣化状況や不具合を専門家が調査すること。2018年4月、「建物状況調査」について売り主、買い主双方に伝え、希望により実施する場合は、調査事業者をあっせんすることが、宅建業者に義務付けられました。
「インスペクションの実行件数は非常に少ないのが現状ですが、受けてから売りに出すと、取り引き後のクレーム回避、競合物件との差別化にもなります」とのこと。
インスペクションを受けて、「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」を付保しておけば、建物の主要な部分で隠れた瑕疵が見つかった場合に、売り主が負うべき修補費用などが保証されるので、「購入希望者に調査と保険の“保証付き住宅”として安心感を与えますよね」
また、家を探している人にとって、購入の検討に値するかどうかは、物件の見た目も重要。「相続物件だと長年空き家になっていたケースも少なくありません。こまめに風を通し、建物内外部を清掃、整理整頓して、見学者の来訪に備えましょう。特に水回りは意識して! たとえ購入希望者がリフォームを前提としていたとしても、丁寧に住んでいたことを見せるのは大事なこと」とも。
販売開始後、媒介契約を結んだ宅建業者から経過報告を受けながら、半年、1年と“動き”がなければ、売り出し価格の見直し、別の販売方法も検討してみましょう。
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