収納場所を隣接させて動線を最短に
建築のプロが教える、家事ラクがかなう家づくり。シリーズ6回目は、スタイリッシュなデザインとくつろぎの空間で、理想の暮らしを提案する「チェックハウスプラス和歌山」(岩出市中島、「紀の国住宅」運営)の宮本和弥さんに、「インナーガレージ」について聞きました。
インナーガレージとは、建物内に設けた駐車スペースのこと。カーポートと比べ、天候による劣化や、車上荒らしなどの犯罪から車を守りやすいのが特徴です。また、「外観がすっきりし、住まいのデザイン性が高まるのも大きな魅力」と宮本さん。「居室から愛車を鑑賞できる室内レイアウトも人気です」と話します。
動線や間取りを工夫することで、家事ラクが実現するのもメリットの一つ。「ガレージ内に家族用の玄関や勝手口を設ければ、車と室内の行き来がスムーズになります。雨の日でもぬれずに車の乗り降りができ、荷物の積み降ろしも楽にできます。小さいお子さんが表通りへ飛び出すのも防げます」とも。
シューズクロークやファミリークローゼット、パントリーなどの収納スペースをガレージと隣り合わせれば、動線をさらに短縮できそうです。「ガレージ内の一部を収納場所にし、アウトドア用品や子どもの外遊びグッズ、災害備蓄品を置く建て主さんもいます」
家族構成や生活スタイルに合わせ、ガレージ自体をアレンジすることもできます。「家族それぞれが自転車を使う建て主さんから、『駐輪で家の前が乱雑になる印象を避けたい』と、自転車専用のガレージを依頼されたケースがありました」と、宮本さんは実例を挙げて話します。
インナーガレージのデメリットに、建設コストの増加や居住スペースの減少が挙げられます。「敷地に余裕がない場合、1階部分をガレージに、2階、3階を居住スペースにするなど、間取りを工夫することで、十分な生活空間を確保できます」とアドバイス。ガレージ内にこもりそうな排気ガスやオイルの臭い、湿気に関しては、「窓を設けたり、換気設備を導入したりすることで、対策できます」と話していました。
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