白良浜と扇ヶ浜でフライングディスクのビーチ競技、6月12日に開幕
ビーチアルティメット国際大会
- 2024/5/16
- フロント特集
プラスチック製・円盤状の遊具を使い、得点を競うスポーツ「フライングディスク」。その国際大会「WFDF2024アジア・オセアニアビーチアルティメット選手権大会」が、6月12日(水)~16日(日)、白良浜海水浴場(白浜町)と扇ヶ浜海水浴場(田辺市)で開かれます。日本を含む、12の国・地域の選手約800人が集結。熱戦が繰り広げられます。
ディスクをつなぎ、ゴール目指す
審判なし、フェアプレーの精神
ビーチアルティメットは、「フリスビー」の商品名で知られる「フライングディスク」を使った競技の一つで、砂の上で行うのが特徴。75メートル×25メートルのフィールドで5人対5人に分かれ、ディスクを落とすことなく、パスでつなぎ、コート両端のエンドゾーンでキャッチすれば1得点(下記参照)。砂浜の不安点な足場を走る脚力や持久力、海風に乗るディスクの軌道を予測し、操る技術など、幅広い能力が求められます。
得点で勝ち負けを競うスポーツですが、他と大きく異なるのは、審判がいないということ。和歌山県フライングディスク協会・大島寛会長(下写真)は、「フェアプレーの精神を重視し、自分に有利ではなく、事実に基づき、お互いに納得できるジャッジを行います。各選手のフェアプレーに対する責任感から、スピリット・オブ・ザ・ゲームとも呼ばれています」と説明します。
WFDFには、107の国・地域が加盟(2024年4月時点)。現在、日本の競技人口は約5000人で決して多いとはいえませんが、24年の日本の世界ランキングはアメリカ、カナダ、イギリス、ドイツに続く5位で、強豪国の一つとして名を連ねています(ビーチ以外の芝生での試合も含む)。
大島会長は「日本は大学からアルティメットを始めたという選手が多くいます。WFDFは、夏季五輪の追加競技入りを目指しており、今後さらに競技人口が増え、あらゆる年代で人気が高まるでしょう」と話します。
WFDF=世界フライングディスク連盟
ビーチアルティメット 公式大会フィールドサイズ
ルール
- エンドゾーン内でディスクをキャッチすると1得点
- 得点が入るごとに、コートチェンジ
- 13点先取で勝敗を決定、約45分で試合終了
- ディスクを持ったまま3歩以上歩かない
- ディスクが地面についたら攻守交代
- 身体接触は禁止
- セルフジャッジで試合を進める
世界40チーム・約800人参加
アジア・オセアニア選手権大会
6月12日(水)~16日(日)、「WFDF2024 アジア・オセアニアビーチアルティメット選手権大会」が、白良浜と扇ヶ浜の海水浴場で開かれます(共催=世界フライングディスク連盟、日本フライングディスク協会)。
前回の2019年優勝のフィリピンの他、シンガポール、インドなど40チーム、約800人が参加予定。大島会長は「相手のディフェンスをかわしながらのロングスローやダイビングキャッチ、空中戦など、ダイナミックなプレーを間近で楽しんでください」と話しています。
次項では、県在住の日本代表・芝公士郎選手(写真)を紹介する他、大会スケジュールなどについて伝えます。
投げる・取る・走る・跳ぶ、砂上の熱き戦い
日本代表に古座川町職員の芝さん
俊足・コントロール力を生かして
今年始め、アジア・オセアニアビーチアルティメット選手権大会の男性部門に出場する日本代表メンバー19人が決定。そのうちの一人に、古座川町職員の芝公士郎さんが選ばれました(写真)。
小学校から高校まで野球一筋だった芝さん。きっかけは、2019年の同大会(白浜町・田辺市開催)で、日本チームのキャプテンとして出場していた兄・圭一郎さん(文化シャッターバズバレッツ所属)の応援に行ったことでした。芝さんは、「投げる・取る・走る・跳ぶを駆使したパス回し、競り合って1得点取ったときのチームでの盛り上がりがすごくて。自分もやってみたいと思いました」と振り返ります。
芝さんの強みは、体幹バランスの良さを生かした砂浜での俊足、スナップを効かせてゴールエリアまでロングスローを投げるコントロール力。職場の仲間を中心に、「串本レンジャーズ」を結成し、さまざまな大会に出場して着実に力をつけてきました。
芝さんのポジションは、相手の裏に飛び出しゴールを狙うディープ。6月の大会では、世界選手を相手に高い技術が要求されます。芝さんは「ここまで支えてくれた人たちへの感謝の気持ちを大切に、少しでも長くコートに立ってプレーしている姿を見せ、恩返しがしたいです」と意気込みを語っています。
WFDF2024アジア・オセアニア
ビーチアルティメット選手権大会 スケジュール
日 |
場所 | 時間 | イベント |
---|---|---|---|
6月12日(水) | 白良浜 | 午前10時から | 開会式・入場行進 |
午後1時から | 試合 | ||
6月13日(木) | 白良浜、扇ヶ浜 | 午前9時〜午後5時 | 試合 |
6月14日(金) | 白良浜、扇ヶ浜 | 午前9時〜午後5時 | 試合 |
6月15日(土) | 白良浜、扇ヶ浜 | 午前9時〜午後5時 | 試合 |
6月16日(日) | 白良浜 | 午前9時〜午後4時 | 決勝戦、3位決定戦 |
午後4時〜4時30分 | 閉会式 |
12日は開会式、13日~15日は、男性、女性、男女混合、マスター男女混合(男性33歳以上、女性30歳以上)の4部門で試合。16日は各部門の決勝戦と3位決定戦となります。試合スケジュールは5月末ごろ、大会公式ホームページに掲載されます(https://www.aobuc.sport/)
観戦を楽しむための“ここ見て”ポイント
パスワーク
細かなパスでディスクをつなぐ、絶妙なスピード感
ロングスロー
エンドゾーンまでディスクを投げるダイナミックなプレー
ダイビングキャッチ
浮いているディスクを飛びつきながら空中でつかむ迫力
ディスクの製作会社が和歌山市に!
「ビーチでの試合には一般的にピンクのディスクが使われます」と話すのは、アルティメット競技用のディスクを製造する「Dolphin Papa(ドルフィン・パパ)」(和歌山市西浜)の森脇祟代表。
自身も大学時代から、アルティメットの選手として活躍し、今も大会スタッフとして関わっています。また、長崎県対馬市に流れ着いた海洋プラスティックごみを再利用したディスクの製造を手掛けるなど、環境保全の観点からも活動の幅を広げています。
片男波ビーチアルティメット大会
&地引網体験(シラス丼付き)
和歌山県フライングディスク協会が主催。ビーチクリーン活動をした後、みんなでゲームを楽しみます。初心者や子ども向け「ゆる部門」もあるので、気軽に参加を
日時 | 6月29日(土)午前9時~午後5時 |
---|---|
場所 | 片男波海水浴場 ※雨天決行 |
対象 | 中学生以上 (経験不問、1人参加もOK) |
参加費 | 大人4000円、中学生以下2000円 |
申し込み | エントリーの方法など、詳細はnote「和歌山県フライングディスク協会」で確認 https://note.com/wfda1997/ |
締め切り | 6月4日(火)午後9時 |
問い合わせ | wfda1997frisbee@gmail.com 090(4303)5243 和歌山県フライングディスク協会 |