生活習慣病を予防して健康寿命を延ばそう!Vo.7

生活習慣の見直し

ステップ3~たばこ・アルコール~

喫煙はさまざまな疾病発症のリスク
アルコールは飲酒量とともに上昇

生活習慣病の予防を考える上で避けて通れない生活習慣が、「たばこ」と「アルコール」です。

「たばこ」には、ご存じの通り、数百種類の有害物質が含まれています。特に、ニコチン、タール、一酸化炭素、その他発ガン物質などが急性・慢性の影響を与えます。呼吸器にも循環器にも消化器にも影響が及び、心疾患、脳血管疾患、あらゆる部位のがん、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、さまざまなな疾病の発症や死亡のリスクとなります(下グラフ参照)。

さらに、吸っている本人だけでなく、タバコの先から出る副流煙には、主流煙よりもニコチン2・8倍、タール3・4倍、一酸化炭素4・7倍、その他多くの発がん物質が含まれており、喫煙者の家族など周りの人に、肺がんや急性心筋梗塞などの虚血性心疾患を誘発し、乳幼児突然死症候群や子どもの呼吸器感染症、ぜんそく発作を誘発するなど、子どもへの影響も重大です。このため、現在は公共施設だけでなく、職場でも受動喫煙防止の対策が進められています。

和歌山市民の喫煙率(上グラフ参照)は全国値より少し低めですが、妊婦の喫煙率(平成24年度)は6・5%で全国値5・0%より高い状況です。禁煙に取り組むには家族や友人など周囲の人の理解・協力が重要です。喫煙をニコチン依存症ととらえ、医療保険も適応されています。禁煙外来や禁煙支援グッズを活用して、ぜひ卒煙されることをおすすめします。

次にアルコールです。がん、高血圧、脳出血、脂質異常症などの飲酒に関連する多くの健康問題のリスクは、1日平均飲酒量とともに、ほぼ直線的に上昇します。

健康日本21では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量について、男性では1日平均40グラム以上、女性では1日20グラム以上と定義しています(上表参照)。もちろん、未成年者の健全な成長・発達や、胎児性アルコール症候群・発育障害の予防の観点から、「未成年の飲酒をなくす」「妊娠中の飲酒をなくす」ことが社会的にも重要です。アルコールとは上手な付き合いをしたいですね。

(和歌山市健康局保健所長・永井尚子)

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※アルコール摂取は循環器疾患死亡2000人、糖尿病死亡100人の予防効果が推計値として報告されているが、図には含めていない「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」より

※アルコール摂取は循環器疾患死亡2000人、糖尿病死亡100人の予防効果が推計値として報告されているが、図には含めていない
「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」より

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