環境と住む人にやさしい省エネの家⑥
太陽光で自家発電
電気は“自給自足”の時代へ

導入前の販売・施工業者選びは入念に

太陽光パネルの取り付け作業の様子

太陽光パネルの取り付け作業の様子

 昨今の電気料金の値上がりで光熱費が家計を圧迫。また、7年ぶりに冬季の節電要請が行われ、いつも以上に省エネを意識させられます。シリーズ6回目は、太陽光発電と蓄電池の販売・施工専門業者「和歌山エコライフ」(和歌山市南材木丁)の代表取締役・迫間(はざま)宏さんに、家庭でのエネルギー対策について聞きました。

「日本のエネルギー自給率を知っていますか」と開口一番に問い掛ける迫間さん。資源エネルギー庁(2019年度)によると12・1%と極めて低く、海外からの輸入エネルギーに頼っている状況です。「天然エネルギーの不足やウクライナ危機などの国際情勢、異常気象による電力需要の増加など、電気料金は今後も上がっていきそう。これからは、太陽光発電のように電気は自分で作ってためて使う自給自足スタイルがより身近になっていくのでは」。実際に、東京都は全国で初めて、戸建て住宅を含む新建築物に太陽光パネルを設置することを2025年4月から原則義務付ける、と先月発表しています。

太陽光発電は屋根面に設置した太陽光パネルで、太陽光エネルギーを電気に変換して使う発電方式です。「自分の家で電気を作れば、電力会社から買う電気代を節約でき、余った電気は売電できます」。また蓄電池を利用して余剰電力をストックし、夜間や災害時に使うことも。「電気自動車も家で充電でき、燃料費が抑えられる利点も」

しかし、気になるのは初期費用。100万円以上掛かるので、設置に悩む人も少なくないのでは。「売電制度を利用すれば、太陽光発電だけなら約10年で設置費用を回収できますよ」と、迫間さんはアドバイス。

最後に「販売・施工会社選びは入念に」とも。「住居の周辺環境や屋根の形状・材質などによって工事内容も異なるので、施工経験が豊富な業者がいいですね」。太陽光発電協会が認定する「PV施工技術者」がいる事業所も、業者選びのポイントになります。

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