二重窓に変える“断熱リフォーム”も
家 暖房が効いた部屋から廊下へ出た途端、寒さで思わず身震い…。そんな経験はありませんか。気温の急激な変化は血圧を大きく変動させ、心臓や血管に負担を掛けるヒートショックの原因になります。高気密・高断熱の注文住宅やリフォーム物件を手掛ける蔭山組(和歌山市中島)の中村大吾店長に、家の断熱性能が住人や建物にもたらす影響や、効果的な断熱対策について話を聞きました。
「冬だけでなく、一年を通して快適に暮らすには、家の断熱性能を高めることが大切です」と、中村店長は話します。断熱とは文字通り“熱を断つ”ことで、「壁や床、天井に断熱材を使い、開口部である窓やドアにも断熱性の高いものを採用します。その結果、冬は家の中の熱が外に逃げにくく、夏は外気の熱が家の中に入りにくい空間が生まれます」と説明します。エネルギーロスが少なくなるため、省エネの家の条件としても掲げられています。
断熱性が高ければ、屋内全体の温度が一定に保たれるため、冬はヒートショック、夏は熱中症の対策につながります。また、「結露を抑えてカビの発生を防ぎ、住人のアレルギーや建物の傷みを予防します。冷暖房の効きも良く、光熱費の節約にもなります」とも。
とはいえ、高断熱の家にするために、建て替えや全面リフォームを行うには費用も時間もかかりそう。そこで、中村店長は「家の一部を断熱リフォームすることもできますよ」とアドバイス。
日本建材・住宅設備産業協会によると、冬の暖房時には、約6割の熱が窓などの開口部から流出します。そのため、「今ある窓に断熱効果のある内窓を取り付け、二重窓にするだけでも快適度は上がります」と中村店長。ヒートショックが起こりやすい浴室や脱衣所に限った工事も可能で、「家のどの場所を断熱化すれば、快適で健康な暮らしを送れるか、専門業者に相談するのもいいと思いますよ」とも。
補助金制度や減税などリフォーム時に使える公的支援もあるので、“脱・寒い家”を検討してみてはいかがでしょうか。
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