父の日に再確認「父性」がありますか?
- 2019/6/6
- 子育て・教育
- なりっちの0歳パパを育てよう, 過去の人気連載コラム
父親が「母性」、母親が「父性」を
伝えることも可能
「入会希望」の連絡が入り、私たちの読み聞かせ講座に一人の男性が見学に来られました。ところが席に着くなり「女性ばかりですか」と、とがった声で。えっ? 私たち平均年齢は少々高めですが、性別を問われればもちろん全員が女性です。それが何か? 読み聞かせと性別にどんな関係が? 頭の中にいろいろな「?」が湧いて、思わず「いえ、(女性でもなく男性でもなく)人間です」と叫んでしまいました。
例えばうちの夫婦、全てにおいて大ざっぱな私に対し、亭主は物の扱いや人への配慮など、何事にも丁寧で細やか。息子たちに「今日の卵焼きはパパが作ったんだね」と言い当てられるほどの差です。けれど何かの判断が必要なときは、「決めればいいだけ」とスパッと決めてしまうのは私(これって潔くないですか?)で、ウジウジと悩み迷うのは亭主です。年齢を重ねるほど生まれつきの性格に拍車がかかり、いわゆる「男らしさ」「女らしさ」を超えた領域に入りつつあります。
子育てにおいて、母性的なものと父性的なものが必要だといわれます。「母性」が子どもに対しての無償の愛を与えることなら、「父性」はルールや善悪を教え、社会で生きていくための知恵を授ける役目だそう。しかしベテラン保育士は嘆くのです。「育児参加は歓迎。でもイマドキのパパとママは同じ方向、同じところを見ている。両方から同じことを責め立てられる子どもがかわいそう。昔タイプの父親はじっくり構えて、母親がもらす子育ての不安やグチを受け止め、ここぞという場面で登場したのに」
ワーキングママはもちろん社会的な知恵を伝えることができるでしょうし、わが家のような組み合わせなら、ママが「父性」を、パパが「母性」を伝えたっていいはず。“一人親”の子育てなら一人でがんばり過ぎることなく、おじいちゃんやおばあちゃんにその役目を手伝ってもらえばいいのでは? 決めつけず、無理をせず、楽しんで子育てを!
名前 | なりきよ ようこ |
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プロフィル | 絵本編集者として勤務後、渡欧。帰国後フリーに。保育所や小学校で読み聞かせを25年以上続けている。絵本creation(編集プロダクション)代表 |
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