漬物女子急増中
- 2015/2/19
- フロント特集
昨今、テレビドラマなどの影響で、漬物を自分で漬ける“ツケジョ”こと漬物女子が増えているのだとか。旬の野菜を“漬ける”ことによって、うま味も栄養価も保存力もパワーアップ。“ぬか漬け女子”“ピクルス女子”にその魅力を語ってもらいました。
和風ぬか漬け派
ずっとぬか漬けをやりたいと思っていたのですが、ハードルが高そうでためらっていたんです。きっかけは、友達に無農薬のぬかをもらったこと。コンブやサンショウの実、ぬかなどを足しながら、旬の野菜を漬けて、朝食で食べています。漬けるだけでおかずが一品でき、しかも、生野菜より栄養価が高くなるなんて…。混ぜるのも習慣になれば苦になりません。
山浦理恵さん(34歳)
管理栄養士の資格を持つ2児のママ。みそや塩こうじなど保存食に関心が高く、ぬか漬けを始めたのは1年ほど前から
洋風ピクルス派
お弁当の彩りがよくなり、さらに酢の抗菌作用が働くといいなと思って作り始めました。特に夏場はすぐに傷んでしまう野菜が、酢に漬けることによって日持ちします。食感を楽しめる野菜やキノコがピクルスにぴったり。酢の種類や水の分量、スパイスなど、食材によって変えて、コンブや塩レモンなども入れたりします。ピクルス液を使って酢の物や酢飯にアレンジも。
山本真与さん(27歳)
シェアキッチン「プラグ」のスタッフ。おいしいものを作ること、食べることが大好きで、ピクルスは大学生のころから作り続けている
家庭の数だけ味がある
難しく考えず漬けてみよう
ご飯のお供に、晩酌のあてに、箸休めに。主役にはなりませんが、かなりの頻度で食卓に上がる漬物。多種多様の漬物の中から日本一を決める「T―1グランプリ」なるものも開催されていて、今年は2月22日(日)にグランプリが決まります。
使う材料だけでなく、調味料や漬け方で驚くほど味わいが変わるのが漬物の特徴。キュウリをぬかに漬ければ日本の伝統の味に、酢に漬ければハンバーガーに合う洋の味に。また、同じぬか漬けでもぬか床が違えば、風味は異なります。
これら漬物を作るのに難しい工程はありません。手入れや調合が面倒と思われがちですが、基本的には“漬ける”だけ。山浦さんは、インターネットサイト「白ごはん.com(http://www.sirogohan.com/)」を参考に、山本さんは、料理本のレシピを自分流にアレンジして、定番から変り種までさまざまなものを漬け込んでいます。二人に共通して言えるのは、旬の食材を漬けて季節感を楽しんでいること。
さぁ、あなたも「ぬか漬け女子会」「ピクルス女子会」に参加して、“ツケジョ”になりましょう!!
“ツケジョ”でなくとも、漬物好きは多いはず
もっと知りたい漬物のこと
微生物・乳酸菌の研究者
近畿大学生物理工学部芦田久教授が語る
発酵食品に秘められたパワー
今の漬物は多様化していますが、もともとは野菜を塩漬けにして保存することが目的でした。塩漬けして置いておくと、塩に強い乳酸菌が発酵して野菜がちょっとすっぱい風味になって…というのが始まり。
ぬか漬けもぬかの中に乳酸菌が生きていて、近年、乳酸菌パワーとして注目を集めていますよね。ぬか床1グラムの中に100億個の乳酸菌がいるといわれています。一方、浅漬けの素に漬けたものや酢漬け、梅干しには乳酸菌がつかないため、同じ保存食でも発酵食品ではありません。
さて、それでは乳酸菌には、どのような効果があるのかお話しましょう。これまでの研究結果で、「免疫力を高める」「アレルギーを抑える」「血中コレステロールを下げる」といった働きが確認されています。ただし、漬物には塩分も含まれているので、食べすぎはよくありません。特に血圧が高い人は要注意です。
漬物の中で最も効率的に乳酸菌を摂取できるのは白菜キムチです。キムチはぬか漬けと違って、洗わずそのまま食べるので乳酸菌が流れず、また、実物より葉物野菜の方が植物性の乳酸菌がたくさんつくという特性もあります。ちなみに私は、研究のために白菜を「水キムチ」にして乳酸菌を採取。味もなかなかのものでした。
一昨年、ユネスコの無形文化遺産に登録され、いまや世界中で「和食」がブーム。先人の知恵から生まれた日本の伝統食・漬物が、もう少し日の目を見ても良いのではないでしょうか。
興味がある人集まれ!
ぬか漬け女子会
講師/山浦理恵さん
山浦さんお手製のぬか漬けの試食会、ぬか床の作り方(実践あり)、ぬか漬け関する質疑応答など
日時 | 3月7日(土)午後1時~3時 |
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場所 | つくるカフェ1号室(和歌山市中ノ店北の丁22 北ぶらくり丁会館2階1号室) |
参加費 | 1人2000円(材料費込み) |
定員 | 10人 |
ピクルス女子会
講師/山本真与さん
山本さんお手製のピクルス試食会、作り方(実際に目の前で作りながらレクチャー)、ピクルス液の活用術を伝授
日時 | 3月8日(日)午後1時~3時 |
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場所 | シェアキッチン「プラグ」(和歌山市万町4 ニューリチャードビル1階) |
参加費 | 1人2000円(材料費込み) |
定員 | 12人 |
申し込み先 | 和歌山リビング新聞社 (受け付けは月~金曜午前10時~午後6時半) |
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電話 | 073(428)0281 |
その他 | ※申し込みは3月2日(月)まで。多数の場合は抽選、当選者にだけ3月5日(木)までに案内状を送ります |
地元の漬物店が教える漬物レシピ
“もう脇役なんて言わせない”。もちろん“ツケモノ”として食べてもおいしいのだけれど、そもそも野菜なのだから具材として使っても問題なし。存在感たっぷり、漬物を使ったお手軽で簡単なアレンジ料理を、「紀の川漬」で有名な「河島本家」(昭和6年創業)の野田美幸さんにお料理を教えてもらいました。
河島本家
住所 | 和歌山市湊1757 |
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電話 | 073(451)3360 |
ホームページ | http://kwhonke.co.jp/ |
紀の川漬入りチヂミ
【材料】(5~6人分)
●チヂミの粉(500g)●水(800cc)●紀の川漬(適量)●ニラ(適量)●ニンジン(適量)●コチュジャン(適量、お好みで)●ごま油(適量)●チヂミのたれ(適量)
- チヂミ粉500gに水800cc、コチュジャンを適量(お好みで)入れてよくかき混ぜます
- 漬物、ニラ、ニンジンを適当な大きさに切り、1と混ぜ合わせます
- フライパンにごま油をひいて熱し、2を薄く広げて中火~弱火で焼きます
- 底面が焼けてフライパンから離れるようになったら、ひっくり返して裏面も
- 両面が焼けたら、好みの大きさに切り分けて、完成!チヂミのたれをつけて召し上がれ
シャキットもやしたく
【材料】(2人分)
●べったら漬(100g)●モヤシ(1袋)●ごま油(適量)●塩こしょう(少々)
- モヤシを電子レンジ(600W)で1分半ほど加熱し、水気を絞ります
- 漬物を千切りにします
- ボールに1と2を混ぜ合わせ、ごま油、塩・こしょうで味を整え、お皿に盛り付ければOK!(ごまや食べるラー油などを入れるのもおすすめ)
漬物入りポテトサラダ
【材料】(5~6人分)
●ジャガイモ(2個)●醤油みそ漬(1/2個)●マヨネーズ(適量)●からし(適量)
- ジャガイモの皮をむき、熱の通りやすい大きさに切ってから、15分程度蒸し、つぶします
- 漬物を好みのサイズに切ります(食感を残すために、大きめに切るとよりおいしくなります)
- 1と2を混ぜ、マヨネーズとからしで味付けすれば、出来上がり