湯浅町をぶら~り、と散策 しょう油がつなぐストーリー
- 2018/4/19
- フロント特集
昨年4月28日、「『最初の一滴』醤油(しょうゆ)醸造の発祥の地」として、国の日本遺産に認定された湯浅町。しょう油造りの歴史やそこで暮らす人々の生活などをつなぎ、ストーリーとして国内外に発信。地域のブランド力を高めて、観光客誘致の起爆剤とするのがねらいです。認定から1年を迎える同町。休日に“ぶら〜り”と歩いてみませんか。
PR動画や醤油博物館で魅力発信
「見る・食べる・買う」など、楽しめる
紀伊半島の西側に位置し、山と海に囲まれた湯浅町。この地で生まれたのが、日本食には欠かせない″しょう油”。その起源は鎌倉時代までさかのぼり、中国から帰国した僧が伝えた「金山寺味噌(みそ)」の製造過程で出る水分(たまり)に、職人が着目したことが始まりといわれています。
日本遺産とは、地域に根ざした文化や伝統をストーリーとして認め、支援するもので、同町は、しょう油醸造にまつわる歴史や特色が認定されています。
同町では先月、マンガ家・里中満智子さんが描き下ろした作品を、地域の魅力を紹介するPR動画として日本語、英語、中国語、韓国語の4カ国語で作成。同町のホームページ(http://www.town.yuasa.wakayama.jp/)から見ることができます。
さらに、「重要伝統的建造物群保存地区(以下=伝建地区)」を軸に、その一帯の古民家・商家などをパビリオン化した「湯浅まちごと醤油博物館」も完成。6カ所の施設を巡るツアーも始まり、「見る・食べる・買う」などが楽しめる体験型観光へとかじを切り、動き出しています。
食べて楽しむ!日本遺産
白壁の土蔵や格子戸など、伝統的な建物が並ぶ伝建地区。足を踏み入れたら思わぬ出会いや発見がたくさん。地元の人との会話も楽しんで!
1.楠山鮮魚店
屋号“まるしち”で親しまれている鮮魚店。湯浅湾で水揚げされたばかりの地魚や干物が並んでいます。「えりすぐった魚でないと、お客さんに出されへんからね」ときっぱり。隣りのカフェに持ち込める「焼さば」は売り切れ御免。午前中が勝負です。
ホワイトボードには魚が水揚げされた場所を表記。魚の上には「イサギ」「ヒラメ」と名札が置かれています
住所 | 湯浅町湯浅31 |
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電話 | 0737(62)3521 |
営業時間 | 午前7時~午後5時 |
定休日 | 水・日曜、祝日 |
2.北町茶屋いっぷく
町歩きの途中で、ふらっと立ち寄れるカフェ。丼やうどん、自家製カレーの他、カフェメニューも豊富。マスターのおすすめは「抹茶ぜんざい」(500円)。抹茶のほろ苦さと小豆の甘さが大人の女性に人気です。焼き餅か冷製の白玉を選べるのもポイント。
「たまごごはんセット」(550円)。隣りの楠山鮮魚店で焼き魚や刺し身を買って、持ち込んでもOK
住所 | 湯浅町湯浅23 |
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電話 | 0737(62)3300 |
営業時間 | 午前11時~午後6時 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は、その翌日) |
3.甚風呂(じんぶろ)
幕末から1985年ごろまで公衆浴場だった銭湯跡歴史資料館。江戸から昭和期にかけて使われていた古民具が展示され、当時の生活がうかがえます。別館では5月5日(祝)まで、江戸時代に伝わり、五月人形として飾られていた「天神飾り展」も開催。
小路の辻に建つ、個性的なデザインの甚風呂(上)と、地元の人が保管していた天神飾り
住所 | 湯浅町湯浅428 |
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電話 | 0737(20)2033 |
営業時間 | 午前10時~午後4時 平日は正午~午後1時昼休憩 |
定休日 | 水曜(祝日の場合は、その翌日)、年末年始 |
URL | http://www.denken-yuasa.sakura.ne.jp/jinburo/ |
2.北町茶屋いっぷく
町歩きの途中で、ふらっと立ち寄れるカフェ。丼やうどん、自家製カレーの他、カフェメニューも豊富。マスターのおすすめは「抹茶ぜんざい」(500円)。抹茶のほろ苦さと小豆の甘さが大人の女性に人気です。焼き餅か冷製の白玉を選べるのもポイント。
「たまごごはんセット」(550円)。隣りの楠山鮮魚店で焼き魚や刺し身を買って、持ち込んでもOK
住所 | 湯浅町湯浅23 |
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電話 | 0737(62)3300 |
営業時間 | 午前11時~午後6時 |
定休日 | 月曜(祝日の場合は、その翌日) |
4.太田久助吟製(おおたきゅうすけぎんせい)
江戸末期、しょう油醸造業として創業し、戦後からは金山寺みそ一筋。仕込みから完成まで、全て夫婦2人の手作業。2~3カ月、慌てず、ゆっくりと自然発酵させ、手間暇かけて作られています。かむほどにコメのまろやかな甘味が口いっぱいに広がります。
コメ、大豆、ナスなど、材料は全て国産品。代々受け継いだ味が守られています。金山寺みそ300g・690円
住所 | 湯浅町湯浅15 |
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電話 | 0737(62)2623 |
営業時間 | 午前9時~午後6時 |
定休日 | 不定休 |
5.千山庵(せんざんあん)
北町通りに面した築150年を超える古民家を改装した1日1組限定の宿。土間や吹き抜け、天窓、低い天井など、当時の造りが残されており、湯浅の歴史や文化を感じながら、ゆったりとした時間が過ごせるのが魅力。夏にはもう1棟完成する予定。
1棟まるごと貸し切りの宿。宿泊棟は現在、2棟(8人用と6人用)。五右衛門風呂のような浴室や和紙でできた照明など趣あり
住所 | 湯浅町湯浅15 |
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電話 | 0737(62)2623 |
営業時間 | 午前9時~午後6時 |
定休日 | 不定休 |
6.前田屋
梅農家が手掛ける、かけしょう油。和歌山発祥・特産に着目し、しょう油とかつお節、南高梅を独自の製法でブレンド。かつお節のうま味と、梅の酸味が合わさった上品な味わいが自慢です。白身の魚やイカの刺し身にぴったり。現在、土・日曜、祝日だけ営業。
昨年8月にオープン。試行錯誤の末、生み出された「和醤油」180ml・1200円
住所 | 湯浅町北町48 |
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電話 | 0739(33)9522 |
営業時間 | 午前9時~午後5時 |
定休日 | 月~金曜 ※祝日除く |
URL | http://maedaya.crayonsite.net/ |
湯浅まちごと醤油博物館
同町では、地元の人たちの暮らしぶりを身近に感じてもらおうと、語り部の話を聞きながら、海山の幸を使った料理が味わえるツアーを、今月からスタートさせています(ツアーの運営は中紀バス)。
伝建地区を中心に、しょう油造りに使われていた蔵や歴史資料館が見学できる他、蔵や商家などを改装した3施設で、しょう油を使った懐石料理(全7品)が楽しめます。料理の監修は、ミシュランガイドの三つ星を7年連続で受賞している大阪北新地の料理店「弧柳(こりゅう)」の松尾慎太郎さん。四季折々の味覚を味わってみては。
他にも、里中満智子さんらマンガ家が所属する団体「マンガジャパン」と連携。マンガのキャラクターを描いたラッピングバスが町内を走ります。
名前 | 湯浅町役場※各施設に関する問い合わせ先 |
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電話 | 0737(63)2525 |
営業時間 | 午前10時~午後4時※入館は無料 |
定休日 | 水曜(祝日の場合は、その翌日) |
ツアーコース順
順序1 | a 湯浅美味いもん蔵(集合) |
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順序2 | b 岡正(料理2品) |
順序3 | c にしぐら(料理3品) |
順序4 | d 角長職人蔵(見学) |
順序5 | e 手造り醤油資料館(見学 |
順序6 | f 立石茶屋(料理2品) |
a.湯浅美味いもん蔵
ツアーのスタート地点。地元の“うまいもん”がずらりと並ぶ他、2階には飲食店も。天気の良い日はテラスで食事ができます。オープンは4月下旬を予定。
b.岡正(おかしょう)
江戸末期に建てられた建物で、元は「岡正」という屋号の酒屋でした。今は、観光案内所を兼ねた休憩所として活用されています。
c.にしぐら
太田久助吟製が、しょう油醸造業を営んでいたときに使用していた蔵。蔵内の柱には、しょう油造りの際の酵母菌が残っています。主に週末開館。
f.立石茶屋
入口を入って奥へ進むと、壁一面に全国各地のしょう油がずらりとディスプレーされ、圧巻。「醤油味くらべ体験」(700円)も予定。
地元の旬の食材を使った全7品が楽しめます
開催日 | 金・土・日曜、祝日 |
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出発時間 | 午前10時、正午、午後2時 |
集合 | 湯浅美味いもん蔵※要予約、4月中は正午と午後2時の2回 |
料金 | 3000円 |
申し込み・問い合わせ | 0738(24)1110 中紀バス観光社 |
ホームページ | http://www.yuasa-for-yourtrip.com/ |