温熱性能の高い住まいに暮らす人 無理・無駄のない生活をしている傾向に

温熱性能の高い・低いによって生活行動に変化

“夏は涼しく、冬は暖かく”と、温度が快適性に与える影響は大きいといわれています。温熱性能の高い、低いで家事など生活行動は変わってくるのでしょうか。

旭化成建材・快適空間研究所と旭リサーチセンターハビトゥス研究所「あたたかい暮らし研究会」が今年10月、20~60代の既婚男女1229人を対象に行った、「住まいの温熱環境の実態と満足度」の調査結果を公表しました。住まいの温熱性能別の比較をするため、窓ガラスの種類によって、シングルガラス=性能・低、ペアガラス=同・中、Low―Eペアガラス・トリプルガラス=同・高に分類して解析。

冬の家事や行動(料理、掃除、洗濯)についての質問では、「家の中が寒くておっくうに感じる」と答えた人の割合は、温熱性能が高い住まいに暮らす人ほど少ないことが分かりました(グラフ参照)。

旭化成建材・快適空間研究所「あたたかい暮らし研究会」調査報告

寝る際の寝室環境についても、「快適」と答えた人の割合は、温熱性能の低い住まいに暮らす人が42・5%なのに対し、高い人は67・4%と約20ポイントの差。また、家の中で寒くて使いたくないスペースがあるかどうかを聞いたところ、温熱性能の高い住まいの人は27・4%、中くらいの人が30・9%、低い人が35・7%となり、高い住まいの人の方が部屋を有効活用していることが伺えました。

今回の結果から、同研究所は、温熱空間の価値として、温熱環境の満足度だけでなく、「家事や行動がおっくうでない」「入浴時と睡眠・起床時に不快でない」「室内での着衣・布団が少ない」「寒さを解消するための手間が少ない」「空間利用の無駄がない」といった生活価値があることを指摘。その上で、「温熱空間では、生活者は“無理・無駄のない”合理的な暮らしをしている」と推測しています。

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