調査する場所、目的によって異なる指標
日本一値段が高い土地は、東京銀座の山野楽器? 鳩居堂前? 毎年、ニュースになりますよね。今回は、「土地の値段」について、和歌山県宅地建物取引業協会の広報啓発委員長・岩端芳則さんに聞きました。 「公的機関が公表している土地の評価額は、公示地価、基準地価、路線価があります。毎年話題になる山野楽器は公示地価、鳩居堂前は路線価が日本で最も高い場所」と岩端さんは話します。
では、それぞれの違いを説明していきましょう。公示地価は、毎年1月1日時点の主に都市計画区域内の土地価格を国土交通省が調査。その土地を客観的に判断し、適正な土地価格を求めるための指標の一つです。地価の変動を見るために、ほぼ同じ地点で調査されています(2021年は2万6000地点)。基準地価は、毎年7月1日時点の標準地価を都道府県が公表。21年は全国2万1443地点で調査され、こちらは、都市計画区域外の住宅地、商業地、工業地、林地も含み、公示地価では網羅しきれないエリアを補完する意味合いもあります。
路線価は、毎年1月1日に国税庁が算定し、国税庁が公表する相続税路線価、3年に一度市町村が評価する固定資産税路線価があります。道路に面した標準的な宅地の1平方mあたりの土地の評価額で、相続税路線価は公示地価の8割程度、固定資産税路線価は7割程度といわれています。
「宅建業者が土地売買の価格査定をする際には、公示地価・基準地価に加え、周辺の土地が過去に実際に取り引きされた価格も参加にしながら査定をします。そして、買い主・売り主の価格交渉を経て実際に売買が成立した額を市場価格や実勢価格といいます」と岩端さん。土地の値段は例え同じ大きさでも、形状や前面道路の幅員などさまざまな要因によって変わり、需要と供給のバランスも影響します。公示地価・基準地価は、国交省のサイト「土地総合情報システム」(https://www.land.mlit.go.jp/webland/)で調べられます。その地域の土地のおおよその価格を知る目安としてとらえてください。
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