治療の最前線! 専門医に聞くvol.8
命に関わる病気になる前に治療を

高血圧症は、気付いていない人も含めると、全国で4000万人もいるといわれるほどありふれた病気で、痛みなどの症状があるわけではないので、つい見過ごしてしまいがち。しかし、高血圧を放置すると、心不全や心筋梗塞、脳卒中などを引き起こすケースがぐっと多くなります。高血圧を治療することが、こうした命に関わる大きな病気を予防することにつながるので、自身の日々の血圧を管理しておくことが、とても大切です。

健康診断などで高血圧を指摘されたときは、日常生活で血圧を測る習慣をつけましょう。血圧は、朝起きたときが一番高いといわれています。起床後1時間以内ぐらい、トイレなどに行った後、朝食を食べるまでに測るのがいいでしょう。目安は、上(収縮期血圧)が130mmHg・下(拡張期血圧)が80mmHgを目安に、それぞれが高くなっていないか、チェックするようにしましょう。

高血圧の原因は、塩分の取り過ぎや運動不足。適度な塩分制限と運動が推奨されていますが、なかなか改善しない場合もあり、食事や運動に気を付けていても加齢とともにどうしても血圧は高くなります。上が140mmHg・下が90mmHgを超えるようになれば、受診して治療を始めましょう。残念ながら、高血圧を治す薬はありませんが、血圧を下げる薬はあります。飲み始めるとやめられないというイメージで敬遠されがちですが、高血圧が進んで、命に関わる大きな病気の引き金になるよりも、血圧を下げて予防し、いつまでも健康的に過ごせるようにしたいですね。
(済生会和歌山病院循環 器内科部長・尾鼻正弘)

みんなの健康

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1. リビング和歌山2025年3月22日号「和歌山県、旬の魚を訪ねて漁港巡り 伝統漁法と海の環境に恵まれた加太漁港」
    2025年4月から、扶養される子どもが3人以上いる全ての多子世帯を対象に、大学や専門学校などの入学…
  2. リビング和歌山2025年3月22日号「和歌山県、旬の魚を訪ねて漁港巡り 伝統漁法と海の環境に恵まれた加太漁港」
     「さかなをたべよう!」キャンペーンを展開中の全国リビング新聞ネットワーク。今回は和歌山市の加太(…
  3. リビング和歌山2025年3月15日号「べらぼうな才能を発揮! 田沼意次のルーツは和歌山にあり! 」
    NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」に登場する老中・田沼意次(演・渡辺謙)。田沼家は意次…
  4. リビング和歌山2025年3月8日号「災害時に発症しやすい 静脈血栓塞栓症 」
     今年3月11日は東日本大震災から14年、「いのちの日」。和歌山県は南海トラフ巨大地震が発生した場…
  5. リビング和歌山2025年3月1日号「すごいぞ!和歌山の底力 トップメゾンをも魅了する ニットの聖地を世界へ広める」
     和歌山のものづくり企業を紹介するシリーズ、「すごいぞ!和歌山の底力」。今回は、国内最大シェアを誇…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2025/3/27

    2025年3月29日号
  2. 2025/3/20

    2025年3月22日号
  3. 2025/3/13

    2025年3月15日号
  4. 2025/3/6

    2025年3月8日号
  5. 2025/2/27

    2025年3月1日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る