治療の最前線! 専門医に聞くvol.5
非アルコール型脂肪性肝炎
生活習慣病に注意を

私たち消化器内科は、消化管や肝臓、胆のう、膵(すい)臓など消化器全般の病気において、地域の診療所とも連携を図りながら迅速に診断し、早期に治療計画を立てることを目指しています。胃・大腸の内視鏡検査では必要に応じてポリープを切除するなど、患者さんの負担軽減に努めています。

日本肝臓学会認定専門医として肝臓病治療にも力を入れ、B型・C型肝炎には抗ウイルス治療薬を用い、肝がんにはラジオ波焼灼(しょうしゃく)療法やマイクロ波凝固療法を取り入れています。

近年増加が心配されているのが“ナッシュ(非アルコール性脂肪肝炎)”。アルコールをほとんど飲まない人で、脂肪肝により慢性肝炎になったり、肝硬変、さらには肝がんに進行する恐れがある病気です。肥満や糖尿病、高脂血症といった生活習慣病を伴っていることが多く、肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝になり、だんだんと肝臓の繊維が固くなって肝硬変になってしまうケースがあります。厄介なのは、ナッシュの治療法がまだ確立されていないこと。生活習慣病が引き金となっているので、食事療法や運動など、生活習慣の改善などで対処するにとどまっています。この治療薬について、今まさに研究が進んでいる最中で、当院はその治験に参加しています。

ナッシュは自覚症状がない病気。脂肪肝だと診断され、何もせずにいると、知らないうちに病態が進行し、肝硬変に…というケースも。詳しい検査は、腹部エコーで肝硬度を測定し、必要な場合は肝生検で診断をします。気になる人は、専門医を受診しましょう。

(済生会和歌山病院消化器内科部長・川口雅功)

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