治療の最前線! 専門医に聞くvol.15
膝の痛み、そのままにしないで
症状が進行しない生活を

60歳を超えるころから、膝や腰に痛みがある人が増えてきます。膝の場合、その多くは変形性膝関節症で、悪化すると歩いたり、しゃがんだり、座るといった日常生活の動作に痛みが生じるようになります。

変形性膝関節症は、加齢や膝関節の負担(体重増加や使いすぎ)、筋肉量の低下により、膝関節の軟骨がすり減ることで起こります。初期症状は、朝起きたときなどの動き出しの膝のだるさやこわばり。中期には正座ができなくなったり、階段の上り下り(特に下りるとき)に痛みが出ます。

変形が始まると、少しずつ進行してしまいます。膝の痛みがある人は、まず膝の状態を調べ、変形が見られた場合は悪化を防ぐ生活を心がけましょう。そのポイントは、膝に負担をかけすぎないこと。正座よりも椅子に座る、また、和式トイレを洋式に変える、重い荷物を持たないことなどで膝の負担を軽減できます。痛みを我慢して長い時間歩くことや重労働も控えた方が良いでしょう。

ただし、膝が痛いからといって動かないでいると筋力が低下します。筋力が低下すると変形は進行するので悪循環。変形の進行予防には筋肉や靭(じん)帯を鍛えることが大切です。整形外科を受診し、ストレッチと筋力トレーニングを中心としたリハビリテーションを受けることをおすすめします。並行して鎮痛剤を服用したり、温熱・電気療法やサポーターを使う装具治療、ヒアルロン酸注射などで保存的治療を行います。それでも効果がない場合は、手術(人工関節置換術)を検討することになります。

山東茂樹医長(済生会和歌山病院整形外科・山東茂樹医長)

みんなの健康

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1.  和歌山県の温泉といえば、白浜温泉、川湯温泉などをイメージしがち…。いやいや、和歌山市内にも穴場の名…
  2. リビング和歌山11月16日号「デジタル時代だからこそ 手書きに思いを込めて」
     年末といえば、クリスマスカードに年賀状、今年は手書きで思いを伝えませんか。若い世代に注目を集める…
  3. “遺言”と聞くと、“老後になってから”と考える人が多いのでは。しかし、遺言は生前対策の一つとして、…
  4. リビング和歌山11月2日号「夜空を鮮やかに彩る伝統美県下唯一の花火製造会社」
     和歌山県のものづくり企業にスポットを当てたシリーズ、「すごいぞ! 和歌山の底力」。今回は、花火作…
  5. リビング和歌山10月26日号「和歌山県、旬の魚を訪ねて漁港巡り ふんわり美味な「わかしらす」」
     「さかなをたべよう!」キャンペーンを今年展開している全国のリビング新聞ネットワーク。今号は、和歌…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2024/11/21

    2024年11月23日号
  2. 2024/11/14

    2024年11月16日号
  3. 2024/11/7

    2024年11月9日号
  4. 2024/10/31

    2024年11月2日号
  5. 2024/10/24

    2024年10月26日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る