治療の最前線! 専門医に聞くvol.13
水分のとり方、間違っていませんか
水中毒・ペットボトル症候群に注意

水分をとることは熱中症予防に有効ですが、人の身体が1度に摂取できる水分はコップ1杯(200ml)程度。例えば500mlの水を一気に飲むと、体内に吸収できない分は汗や尿となり体外に出ます。普段の生活なら1〜2時間に1回、運動時や屋外で作業をしているようなら20〜30分ごとに200mlほどを飲むのが理想的です。

大量の水分摂取は「希釈性低Na(ナトリウム)血症」(水中毒)を招きます。Naは塩分のことです。血液は適度なNa濃度を保っていますが、大量に水を飲み続けると排せつも追いつかず、血中のNa濃度が急激に低下します。症状は頭痛やめまい、けんたい感、おう吐や意識障害などで、熱中症と似ています。水分をしっかりとっているのに、熱中症に似た症状がある場合は水中毒が疑われます。血液検査をしなければ分からないので、病院を受診しましょう。

では、“塩分もとらなきゃ”と、スポーツ飲料を飲むことが多いかもしれませんが、ペットポトル症候群にもご注意を。「糖尿病性ケトアシドーシス(高血糖緊急症)」といって、ジュースや炭酸飲料など糖分が高い物を飲み過ぎると高血糖の状態になります。血中の糖度が上がると水分が奪われ、また喉が渇く悪循環。けんたい感や吐き気、意識障害に見舞われます。糖尿病や境界型糖尿を指摘されている人、若年でも肥満の人は気を付けて。

また、夏はビールがおいしい季節ですが、アルコールには利尿作用があり、その分解にも水分を要するので、むしろ脱水のリスクを高めます。

藤原舞美医師

藤原舞美医師

(済生会和歌山病院糖尿病・代謝内科医師・藤原舞美)

みんなの健康

関連キーワード

 

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

交通安全キャンペーン2024 贈呈式

おすすめ記事

  1.  和歌山県の温泉といえば、白浜温泉、川湯温泉などをイメージしがち…。いやいや、和歌山市内にも穴場の名…
  2. リビング和歌山11月16日号「デジタル時代だからこそ 手書きに思いを込めて」
     年末といえば、クリスマスカードに年賀状、今年は手書きで思いを伝えませんか。若い世代に注目を集める…
  3. “遺言”と聞くと、“老後になってから”と考える人が多いのでは。しかし、遺言は生前対策の一つとして、…
  4. リビング和歌山11月2日号「夜空を鮮やかに彩る伝統美県下唯一の花火製造会社」
     和歌山県のものづくり企業にスポットを当てたシリーズ、「すごいぞ! 和歌山の底力」。今回は、花火作…
  5. リビング和歌山10月26日号「和歌山県、旬の魚を訪ねて漁港巡り ふんわり美味な「わかしらす」」
     「さかなをたべよう!」キャンペーンを今年展開している全国のリビング新聞ネットワーク。今号は、和歌…
リビングカルチャー倶楽部
夢いっぱい保育園

お知らせ

  1. 2024/11/21

    2024年11月23日号
  2. 2024/11/14

    2024年11月16日号
  3. 2024/11/7

    2024年11月9日号
  4. 2024/10/31

    2024年11月2日号
  5. 2024/10/24

    2024年10月26日号
一覧

アーカイブ一覧

ページ上部へ戻る