気候変動観測中 ⑮
- 2021/1/14
- コーナー
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―1カ月先など、将来の天気を知りたいときはどうすればいい?
そんなときは「季節予報」があります。ちなみに、2020年12月25日発表の3カ月予報によると、1月の気温は寒気の影響を受けて平年並みか低く、2月と3月は平年並みで、晴れの日が多い見込みです。
―地域ごとで予報は異なりますよね。
もちろん。そのため、日本列島を北日本や東日本、西日本、沖縄・奄美に分けた「全般季節予報」、関東地方や近畿地方など地方ごとに分けた「地方季節予報」があります。予報は「1カ月」「3カ月」「暖候期」「寒候期」の4種類あり、定期的に発表しています。
―4種類の違いは何
1カ月と3カ月予報はその名の通り、向こう1カ月間と3カ月間の平均気温や降水量などの大まかな傾向を予報。暖候期は2月25日ごろにその年の夏(6月~8月)、寒候期は9月25日ごろにその年の冬(12月~2月)の平均気温や降水量などの傾向を予報します。
―どうやって?
天気予報と同様、大気の状態変化を数値的に計算。気温、日照時間、降水量、積雪量など、それぞれを3つの階級に分け、確率で表します。
―例えば?
“向こう1カ月の平均気温は「低い」となります”と断定するのではなく、“「低い」となる確率60%、「平年並」となる確率30%、「高い」となる確率10%”というように、各階級に当てはめた可能性の大きさを予測し、伝えます。
―長期間の予報は、不確かさが大きくなりそう。
はい。そのため、一つに絞らず、複数の予測を行い、判断する方法を取っています。他にも、和歌山地方気象台のホームページでは、2週間先までの気温を予想した「2週間気温予報」など、タイムリーな情報を発信しています。ぜひ参考にしてくださいね。
回答者 | 田中省吾さん 和歌山地方気象台の技官で、日本南極地域観測隊の元隊員 |
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