毎日生き生き健康通信vol.60
正月は餅の窒息事故に注意!
高齢者は飲み込む力が低下
- 2024/12/26
- みんなの健康
- 内科の先生に聞きました!(毎日生き生き健康通信)
餅を詰まらせたときは救急車を呼んで
お正月には、雑煮や、ぜんざいなど、いつもと比べて餅を食べる機会が多くあります。そのため、1月は餅を喉に詰まらせて亡くなる人が多く、特に三が日に集中します。65歳以上の高齢者や小さい子どもは、飲み込む力が弱いので、窒息事故に注意が必要です。
餅が原因の窒息事故は、特に高齢者で多く、東京都だけで5年間に約450人が救急搬送されていて、全国でも1年間に約300人が死亡しています。1月だけで全体の約40%を占め、そのうちの20%が三が日に報告されています。
餅を食べるときは、飲み込みやすいように小さく一口サイズに切って、食べやすい大きさにしてから口へ入れましょう。また、いきなり飲み込まずに、少しずつかんで飲み込み、喉に詰まらせないように予防することが大切です。焼いた餅を食べるときは、先にお茶などを飲んで喉を潤すと、飲み込みやすくなります。姿勢が悪いと詰まりやすくなるので注意を。
目の前で、家族が餅を詰まらせたとき、まずは救急車を呼びましょう。待っている間、背中をたたいて吐き出させる“背部叩打(こうだ)法”で応急処置を行います。患者の体を丸めて、下向きの姿勢にし、肩甲骨あたりをたたくことで、喉に詰まった餅を吐き出させます。背部叩打法で改善しない場合、背後から患者を抱え、みぞおちに握り拳を当てて突き上げる“ハイムリッヒ法(腹部突き上げ法)”もありますが、妊婦や乳児は危険なのでやめてください。救急車を要請したとき、救急隊員が電話口で応急処置を指示してくれる場合もあります。掃除機で吸い込んだり、口に手を入れたりする方法は、反対に押し込んでしまう可能性があるので、推奨されていません。救急車の要請をためらう場合や、判断に迷ったときは、#7119へ連絡すると、対応を教えてくれます。年末年始を健やかにお過ごしください。
(辻本直貴)
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