毎日生き生き健康通信vol.49
冬に気をつけたい腸炎
ウイルス感染に注意!
- 2024/1/25
- みんなの健康
- 内科の先生に聞きました!(毎日生き生き健康通信)
しっかり水で手を洗い流すことが大切
冬は、インフルエンザやRSウイルスなど、鼻や喉から感染し風邪症状を引き起こす上気道感染ばかりに気をとらわれがちですが、冬に腸炎が流行することもあります。夏の腸炎は細菌によるものが多く(食中毒)、冬場はノロウイルスやロタウイルスに感染することで起こす腸炎が多くなります。ノロウイルスは牡蠣(かき)に付着していることが多く、生食することが原因とばかり指摘されがちですが、実は、ロタウイルスも含め、冬場のウイルス性腸炎は、人から人への感染が多いです。
ノロやロタウイルスは感染した人の吐物や便に含まれており、適切に処置しないとウイスルが手に付き、食事などのときに口から体内に入って、腸炎を引き起こします。よくあるのは、子どもが吐いた物を処理したり、おむつを替えるとき、また、トイレでは便器や便座だけでなく、ドアノブに付着していることも考えられます。
これらのウイルスは感染力が非常に強く、少しの量でも感染します。注意したいのは、一般的なアルコール消毒ではウイルスが死滅しないこと。消毒には、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を用います。吐物が付着した物や床にウイルスが残ると、乾燥して飛散します。次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう。手指も流水でしっかりと洗い流すことが大切です。
主な症状は嘔吐(おうと)と下痢。ウイルスが体内から排出されると治まりますが、小さい子どもや高齢者は重症化することがあるので、注意が必要です。特効薬はなく、脱水症状にならないように、水分を取りながらウイルスをどんどん排出するようにします。食べられるようなら消化の良い物を食べ、食欲がなくても水分は取るようにしてください。症状が治まっても、1週間は便にウイルスが排出されることがあるので、2次感染には十分注意を。(辻本直貴)
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