毎日生き生き健康通信vol.21
インフルエンザワクチン
接種の計画を立てましょう
- 2021/9/23
- みんなの健康
- 内科の先生に聞きました!(毎日生き生き健康通信)
予防できる病気は予防することが大切
10月に入ると、インフルエンザワクチンの接種が始まります。新型コロナウイルスの感染が広がり、その予防対策のおかげか、一昨年からインフルエンザの罹患(りかん)数はぐっと減少し、その流行は確認されませんでした。こんな状況を見て、インフルエンザワクチンの接種について、今年はどうしようか悩んでいる人が多いかもしれません。
しかし、第19回のコラムでお届けしたように、この夏は「RSウイルス感染症」が過去数年を大きく上回り、流行しました。インフルエンザと同じく、RSウイルスも新型コロナウイルスの感染が続いた昨年は大きな流行が見られていませんでしたが、今年は流行が拡大。RSウイルスの感染経路は、新型コロナウイルスと同じように「飛沫(ひまつ)感染」と「接触感染」で、その予防対策は同じですが、今年はRSウイルスの感染拡大が見られました。
インフルエンザも、「飛沫感染」と「接触感染」により広がりますので、一昨年来その流行が確認されなかったからといって、今年も流行しないとは決して断言できません。また、この2年の間に流行しなかったために、インフルエンザに対する免疫力が下がっている可能性もあります。
インフルエンザは、子どもなら脳症・脳炎、高齢者なら肺炎を引き起こす可能性があり、重症化すると困ります。予防できる病気は、事前に対策をしておくことが大切だと思います。
接種時期は、新型コロナワクチンの接種とは重ならないよう、計画的にすることがポイント。新型コロナワクチンと、その他のワクチンの接種間隔について、現在は、前後14日以上空けることになっています。インフルエンザの抗体ができるには、ワクチンを接種してから約2週間かかり、約4カ月間効果が続くといわれています。また、生後6カ月~13歳未満は、まだ身体に抗体が作られにくいため、2回接種が原則。1回目と2回目の間は4週間空けるのが望ましいとされているので、その期間も考慮して。受験生など試験シーズンの感染を予防したい場合も、接種スケジュールをよく検討しましょう。
今年のインフルエンザワクチンの生産量は、昨年に比べて2割減となる見込みです。接種を希望する人は、予約しておくことをおすすめします。(辻本直貴)
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