口臭には、他人が明らかに不快な臭いと感じる「真性口臭症」と、実際には口臭のない「仮性口臭症」があります。
仮性口臭症は、口臭で悩んでいる人の約30%に認められ、学校や職場などでの人間関係に悩み、その原因が自身の口臭であると思う場合など、精神的な思い込みが原因となることが多くなっています。
真性口臭症は、①生理的口臭②病的口臭(歯周病などが由来するもの)③病的口臭(全身疾患が由来するもの)に分けることができます。
①は口臭で悩んでいる人の20%に認められ、口腔清掃不良のために、蓄積した舌コケやプラークからの臭いです。歯ブラシを上手にすること、舌ブラシを適切に行うことでかなり軽減させることができます。
②の歯周病などが由来の病的口臭は、約50%に認められます。毒性の強いメチルメルカプタンという物質が歯周病菌から産生されることで強烈な臭いを放ちます。大きなむし歯や、唾液腺の機能低下による口腔乾燥が原因となることもあります。歯科医院でむし歯を治療したり、適切な歯周病治療を受けたりすることで、その多くは改善できます。
③は肝臓疾患などの全身疾患に由来しますが、まれなケースです。原因となる病気を治すことが改善策となります。
このように、口臭といってもさまざまな原因がありますので、歯科医師などの専門家に相談してください。
(和歌山県歯科医師会・地域保健委員会)
※参考文献=21世紀のペリオドントロジーダイジェスト(天野敦雄著)
関連キーワード