正しく理解する認知症 第3回 大切な家族がもし認知症に 私たちはどうすればいい?
- 2016/2/18
- コーナー
- 正しく理解する認知症
私たちにできること
もしも、大切な家族が認知症になったとき、私たちはどうすればよいのでしょうか。
専門医に相談を
認知症は、早期に発見し、適切な対応や治療をすることで、進行を抑えることができます。認知症の疑いがあれば専門医に相談を。和歌山県のホームページで認知症の診療が可能な医療機関が紹介されています(http://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/040300/hyousi.htm)。
しかし、専門医にかかることに抵抗がある場合は、かかりつけ医に相談してみてください。かかりつけ医は、本人の身体の状態や病歴、普段の様子も把握しているので、認知症の疑いがあると判断された場合には専門医に紹介してもらえます。
受診時のポイント
認知症の症状のあらわれ方には個人差があり、医師の前では、はっきり受け答えができる場合もあります。普段の様子を伝えるため、どのような症状が出ているのかをメモしておきましょう。いつ頃から症状が出てきたか、生活習慣や既往歴なども具体的に書いておくと役に立ちます。
認知症とくすりの関係
認知症は生活環境を整え、コミュニケーションを調整することに加え、薬も大切。現在、アルツハイマー型認知症に対して4種類の薬があります。根本的に認知症を治癒させることはできませんが、服薬することで、脳の神経細胞を活性化させ、覚えたり考えたりする力を保つ可能性があります。
また、意欲を引き出したり、不安感を少なくすることによって生活の質を向上させるという効果も期待できます。
介護はがんばりすぎない
〝年間10万人〞。これは、総務省が出したデータで、介護が原因で離職した人数です。家族が認知症になったとき、自分たちだけで何とかしようとすると、心身ともに疲れてしまい、結果、離職を余儀なくされることになりかねません。
責任感のある人ほど、「自分が全てしなければ」と追い詰めてしまいます。介護の悩みは自分だけで抱え込まずに、家族や周囲の人々に助けを求めましょう。
地域の皆さんも、「何かお手伝いすることはありますか?」と声をかけてみましょう。特別なことをするのではなく、自分にできることをし、協力し合えればいいですね。
(和歌山市地域包括支援課/保健師・山下直美)
追い詰めすぎない介護のために
- 悩みや不満を打ち明けられる相手を作る
- 自分の時間を作る
- 何でも完璧にやろうと思わない
- わざと失敗しているのではなく病気のせいだと割り切る
- 介護がうまくいかなくても自分を責めない
- ケアマネジャーや主治医など専門家に相談する
- 同じ立場の方々と交流する。家族の会などに参加する
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