最近の住宅をめぐる動きを解説②~中古住宅編~
- 2018/7/26
- ハウジング
市場活性化に向けインスペクション制度がスタート
売り主も買い主も安心できるように
総務省の「2013年住宅・土地統計調査」によると、空き家数は全国で820万戸、うち和歌山県は8万6000戸でこの20年で1.7倍に増加。「少子高齢化や東京一極集中により、空き家問題は、特に地方で深刻化しています」と話すのは、和歌山県宅地建物取引業協会広報啓発委員長の藪雅仁さん。
そうした中、和歌山県主導のもと、2018年1月に行政と県宅建協会、県司法書士会、県不動産鑑定士協会、県建築士会、県土地家屋調査士会などの各専門家団体が「空家等対策の推進に関する協定」を締結。空き家の有効活用、適正管理、発生抑制に向けて動き出しました。
「そろそろマイホーム…と考える際、ほとんどの人は新築をイメージするのではないでしょうか。新築に比べるとはるかに安価で取得できるのが中古住宅のメリットですが、見た目の古さに加え、耐震面や構造上の問題、リフォーム費用がどれくらいかかるのか不明…、といったところが住宅購入の“選択肢”に加わってこない要因」と藪さんは指摘します。
そのような背景から、政府は、消費者が安心して中古住宅を購入できる環境を整えようと、中古住宅の売買時に、専門家が住宅の劣化状況などを検査する「インスペクション(建物状況調査)の普及」を重要施策として掲げ、今年4月1日からその制度がスタートしました。「宅建協会では、施行される1年半前から制度についての勉強会を重ねてきましたが、一般消費者で知っているのはごくわずか。これからどう浸透させていくか、政府にとってもわれわれにとっても課題」と言います。 この制度により、今まで不明確であった既存住宅の主要な部分の劣化状態がはっきり分かり、 修繕費用なども算出できるようになり、また、売買後に不具合が見つかった場合、修補費用などが保証される『既存住宅売買瑕疵(かし)保険』に加入できるかどうかの判断もつきます。「売り手にとっては、物件引き渡し後のトラブルが軽減でき、買い主にとっては、購入の判断材料になるのですが…。制度の詳しい説明は次回に」
※次回は8月25日号掲載
「インスペクション制度」についての相談は | 和歌山県宅建協会へ073(471)6000 |
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