「人権擁護委員」という名前を聞いたことはありますか? 人権擁護委員とは、市町村長の推せんで、法務大臣から委嘱を受けた人権問題に関するボランティアのことです。元公務員や元教育者、弁護士、会社員など、さまざまなキャリアを持つ人たちで構成し、法務局の職員と連携しながら各地域で活動しています。
和歌山県は、和歌山、橋本、田辺、御坊、新宮の5つの協議会、計213人で成る「和歌山県人権擁護委員連合会」があります。和歌山協議会は、和歌山市、海南市、岩出市、紀美野町、紀の川市、有田市、広川町、有田川町、湯浅町の9地区・88人が在籍しています。
私たち委員は和歌山地方法務局や市町村が設ける相談所内で、人権を侵害された人の相談にのる他、事案によっては法務局の職員と一緒に救済するための手続きなどを行っています。また、人権問題に関心を持ってもらえるよう、学校での人権教室や街頭での啓発活動などを年間を通して実施しています。
全国の市町村で人権擁護委員が活動を開始したのは、1949(昭和24)年6月1日。日本国憲法で定められた「基本的人権」を守るための「人権擁護委員法」が施行された日です。全国の人権擁護委員連合会は、毎年この日を「人権擁護委員の日」として啓発活動を展開しています。
和歌山県人権擁護委員連合会は今年も6月1日(木)、各市町村に「特設相談所」を開設。人権擁護委員や法務局の職員が、悩みごとを解決するための最善の方法を一緒に考えます。相談内容は、学校や職場、家庭内といった暮らしの中で起こる人権に関するさまざまな問題の他、いやがらせ、虐待、インターネットでの誹謗(ひぼう)中傷、差別など。相談は無料、秘密厳守となっています。
時間や場所は、和歌山地方法務局のホームページ(こちら)で確認。または和歌山地方法務局人権擁護課073(422)5131へ問い合わせを。
(和歌山県人権擁護委員連合会・笠野喜久雄)
関連キーワード