私たち人権擁護委員は、皆さんの人権が尊重されるよう日々活動しています。今回は、人権擁護委員の活動の一つ「人権教室」について紹介したいと思います。
人権教室とは、思いやりの心や命の尊さを身に付けてもらおうと、人権擁護委員が幼稚園や小・中・高校、企業、自治体などに出向き、実施している啓発活動です。中でも、高校生を対象に2013年から毎年行っているのが、交際中の相手から受ける身体的・精神的・経済的・性的な暴力「デートDV(ドメスティックバイオレンス)」をテーマにした授業です。
DVの問題は、人に相談しづらく、一人で抱え込む傾向があります。暴力を振るう時期と優しさをみせる時期が繰り返され、被害者は次第に暴力から逃げられなくなるといわれています。授業では、DVに関する正しい知識に加え、交際相手との対等な関係を築くにはどうすればよいかを伝えます。授業後のアンケートでは「デートDVという言葉を知らなかった」という生徒が全体の約50%で、認知度は12年間ほぼ変わっておらず、今後も広く周知していく必要性を感じています。
他にも、携帯電話会社と協力した「スマホ・ネット人権教室」、企業で行う「ハラスメント人権教室」などもあります。人権問題は、発生する、または、エスカレートする前に防ぐことが重要です。正しい知識を持つことや、誰かに話をすることで解決の方向に向かうこともあります。人権教室の依頼があれば、和歌山地方法務局に連絡をください。
啓発活動といえば、今年も6月1日の「人権擁護委員の日」に合わせ、県内の市町村で「特設人権相談所」を開設します。各地の人権擁護委員が、学校や職場、日々の暮らしの中で起こる人権にまつわる問題に対応し、解決するための方法を一緒に考えます。相談は無料、秘密厳守です。
特設人権相談所の日程など、詳しくは「和歌山地方法務局」で検索、または、和歌山地方法務局人権擁護課073(422)5131に問い合わせてください。
(和歌山県人権擁護委員連合会・谷澤佐規子)
お問い合わせ | 073(422)5131 |
---|
関連キーワード