新型コロナウイルスの感染拡大による生活環境の変化で、メンタルヘルスへの影響が心配されています。和歌山県精神保健福祉センター内にある「こころの電話」が、規則正しい生活のリズムの必要性を呼び掛けています。
不安やストレスを軽減させるためには
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、健康や仕事への不安に加え、自宅で過ごす時間が長くなったことによるストレスなど、心に不調をきたすことが心配されています。
和歌山県精神保健福祉センター内にある相談窓口「こころの電話」によると、新型コロナウイルスの感染拡大による精神的不調を訴える電話相談が、3月から増加しています。
相談内容は、「遠方に住む家族に会えない孤独感」「家族と家にいる時間が長くなったことによるイライラ」「外出できないことへのストレス」「収入面での経済的不安」などとさまざま。同センターの相談員は、「自身や家族の健康、学校や仕事のことなど、さまざまな背景から、心や体に変化が起こりやすいと考えられます」と話し、「今後、さらに表面化してくることも予測されています。『こころの電話』をはじめ、それぞれの機関が連携し、きめ細かいサポートが必要になってくると考えられます」とケアの必要性を訴えます。
不安やストレスを軽減させるためには、どうすればよいのでしょう。
相談員は「見通しがたたないことに、たくさんの情報を集めてしまいがちですが、集めすぎはよくありません。逆に、少ない情報から思い込みを招いてもいけません。不正確な情報に惑わされることなく、正しい情報を適切な量で取り入れることが大切です。何よりも、十分な睡眠とバランスの良い食事をとって、普段の生活パターンを崩さないようにしましょう」と伝えます。
また、不安やストレスからくる、アルコールやギャンブル、薬物などの依存症、児童虐待、ドメスティックバイオレンス(DV)といった問題も懸念されています。
相談員は、「不安やストレス、恐怖、怒り、興奮、不眠などが起こるのは、決して特別なものではなく、誰にでも起こりうる自然な反応です。状況が改善することで自然に収まっていきます。心の不調が続く場合は、無理をせず、電話で相談してください。誰かに話をすれば気持ちが楽になる場合もあります」と呼びかけています。
【相談窓口】
073(435)5192こころの電話(月~金曜午前9時半~正午、午後1時~4時 ※土・日曜、祝日除く)
WHO(世界保健機構)は、ストレスへの対処方法として、6つの項目を上げています(下記参照)。
・友達や家族に連絡を取りましょう
・家にいなければならないときは、健康的な生活習慣を心掛けましょう
・気持ちを落ち着かせるために、たばこや酒、薬物に頼らないようにしましょう
・適切な予防策が取れるよう、自分に関わるリスクの正確な判断に役立つ情報を集めましょう
・不安をあおるような報道を見たり、聞いたりする時間を減らすことで、不安や興奮を抑えましょう
・これまでに逆境を乗り越えたときに役立ったスキルを活用し、自分の感情とうまく付き合いましょう
WHO「COVID-19流行によるストレスへの対処」より
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