春から夏へ 梅雨前線 ⑨
- 2020/6/11
- コーナー
- よみトク気象ナビ, 過去の人気連載コーナー
―どうして梅雨の時期は雨が続くの ?
日本列島にぐずついた天気をもたらす梅雨前線が停滞するためです。北側の「オホーツク海高気圧」から冷たい風、南側の「太平洋高気圧」から暖かく湿った風が吹き、2つの風がぶつかり合って上昇気流が発生。雨を降らす雲ができます。その雲が北上したり、南下したりしながら停滞するので雨が長く続きます。
―沖縄から北上してくるのはなぜですか。
夏が近づくと、南側の太平洋高気圧が張り出し、梅雨前線が押され、北上するからです。
―北海道は梅雨がないといわれていますが…。
梅雨前線が北海道付近まで近づき、梅雨のような天気になることもあります。でも、この状態は毎年のように現れないので、北海道地方では「梅雨に関する気象情報」を発表していません。
―なるほど。天気予報の降水確率は傘を携帯するかどうかの目安になります。確率の決め方に基準はある?
天気予報は、1mm以上の雨が降る確率を表しています。例えば「午後6時~深夜0時の降水確率が20%」というのは、仮りに同じ気象条件が100回あったとして、うち20回で1mm以上の雨が降るという意味。確率が高いと雨量が多くなるというわけではありません。
―雨の表現方法も多いですよね。
雨量を予想するのは、大雨によって災害発生する可能性が高い気象状況で、大雨警報・注意報や雷注意報を発表したときです。表現方法の違いを知ることは防災にもつながります。この機会に確認しましょう(下記)。
回答者 | 田中省吾さん 和歌山地方気象台の技官で、日本南極地域観測隊の元隊員 |
---|
関連キーワード