新ブランドを立ち上げ、直接消費者へ!漁師が届ける“和海(わかい)もん”

リビング和歌山3月3日号

 和歌山市と海南市の近海でとれる魚介をブランド化した「和海もん」が、今年1月に立ち上がりました。地域の漁師さんから、新鮮な魚が直接私たち消費者に届く、いわば“魚の産直”。鮮度と価格がウリ、そして普段は目にしないような珍しい種類もそろう、そんな近海ものの魅力をPRしていきます。

6漁協と行政がタッグを組み
近海の魚を消費者に直接届ける

タチウオやハマチ、サバ、アジ、イトヨリといったなじみのある魚から、ガシラにホウボウ、エソ、アシアカエビやヒイカ、ナマコ、天然ワカメ…など。和歌山市や海南市、私たちが住む地域に近い海で、どんな魚がとれているか、ご存じですか。
和歌山市と海南市にある「加太」「西脇」「雑賀崎」「和歌山北」「和歌浦」「海南市」の6つの漁業協同組合と、和歌山県海草振興局、和歌山市、海南市、県漁業協同組合連合会がタッグを組み、「和海地区広域水産業再生委員会」(会長=由井臣・加太漁協組合長)を組織。今年1月に、これらの地域でとれる新鮮な海産物を直接地元の消費者に届けようと、共通ブランド「和海もん」を立ち上げ、“魚の産直”に取り組み始めました。
連携するのは、和歌山・奈良県と大阪府で「産直市場よってって」を展開している「プラス」(本社=田辺市)。漁師が市場へ卸す魚介とは別に、直接とれたての魚介を同店に出荷し、それらがその日のうちに店頭に並ぶ仕組み(雑賀崎漁港では、漁船からの直接販売)。
同委員会は、和歌山の海をイメージするブルーとエメラルドグリーンを基調とした“和海もん”ののぼりやチラシ、また共通シールを作製し、ブランドをPRしています。

 

需要が高い紀伊水道の魚

魚好きがよろこぶ“和海もん”
新鮮で割安に手に入る

和歌山市や海南市の沖合いの紀伊水道はプランクトンが豊富で漁場に恵まれ、さまざまな種類の魚がとれることが特徴。一方、このエリアの漁法は、小型船の底びき網や船びき網、一本釣りなどが主流。そのため、1軒の漁師がとる魚介は、たくさんの種類がそろうものの、市場に卸すにはある程度の数量が求められるため、量がそろわない魚介は市場に卸せないことがよくありました。
それらの魚介を“和海もん”として、直接消費者に届けようというのが、今回の取り組み。通常なら市場を経て小売店に並ぶところを、漁師が消費者に販売したり、直売所に出荷したりすることで販路を拡大。エリア内の雑賀崎漁港で以前から実施されている「漁船からの直接販売」に加え、連携する「産直市場よってって」の岩出産直店と貴志川店の2店舗で、“和海もん”の販売が始まっています(下記参照)。
産直市場よってっては、今回和海もんを導入する以前から、“水産物の産直”に取り組んでおり、4年前に「いなり本館」(田辺市稲成町)で田辺市沖でとれる魚介を中心に県下の漁師から直接出荷してもらう委託販売をスタート。その後、大阪府岬町などにもルートを確保し、県内外6店舗に水産物の産直を拡大してきました。

魚好きがよろこぶ“和海もん”

共通シールが貼られて並ぶ“和海もん”

「生産者の顔が見える農作物の“直売”が消費者に受け入れられ、定着してきたように、水産物にも取り入れようと始めたのがきっかけでした。近海の魚が直送されるので、とても新鮮。しかも、直接出荷してもらって値段を決めるので、通常よりも安く提供でき、どの店舗も好評です」と話すのは、プラス商品グループマネージャー兼商品SV松場宏明さん。同店で扱う産直水産物のラベルには、水揚げされた漁港名や、また漁師の名前も表示されています(右写真)。
そんな中、漁協の枠を越え、近海の和海エリアの魚介をまとめてブランド化することで、鮮度とおいしさをアピール。店舗で販売されるときには、オリジナルの共通シールが貼られてショーケースに並び、ひと目で分かるように。「産直魚介の中でも、特に紀伊水道でとれたものは需要が高いんです」と、同社岩出産直店の岩原美儀店長。売り場を見ると、この時期なら、ハマチやサバなどのよく知られた魚に加え、ガシラやホウボウ、エソ、ミシマオコゼといった、あまり見かけないものも。「珍しい魚が多いので、どんな風に食べたらおいしいのかと聞かれることも多いです」と岩原店長。また、売り場ではすでに切り身になっていることや、ウロコや内臓を取る下処理を頼めるのも喜ばれています。

和海もんをアピールするのぼり

和海もんをアピールするのぼり

「釣りが好きな父がよく釣ってきたような魚が、ここには並んでいるんです」と、岩出産直店の売り場で買い物をしていた主婦の声。「私は海南市の出身なので、『戸坂漁港』とラベルにあるのを見て、とても親しみを感じます。新鮮さが伝わりますね」という声も。
現在、和海もんにはエリア内の約70人の漁師が登録、その数は今後増える見込み。また、産直市場よってっても、取り扱い店舗を増やしていきたい意向です。
どんな魚がとれるのか季節ごとの“和海もん”を紹介(下記参照)。また、ちょうどこの時期に旬を迎えているヒイカのおいしい食べ方を産直市場よってって岩出産直店で聞きました(左記参照)。

 

 

産直市場よってって貴志川店

住所 紀の川市貴志川町前田166
電話 0736(65)2533
営業時間 午前9時~午後6時半
休日 無休(1/1~1/3は休業)
 

産直市場よってって岩出産直店

住所 岩出市中島753-1(国道24号 中島交差点近く)
電話 0736(79)4741
営業時間 午前9時~午後8時
休日 無休(1/1~1/3は休業)

雑賀崎漁港・漁船から直接販売

住所 漁協近くの港(和歌山市雑賀崎)
電話 073(444)2282 雑賀崎漁協
営業時間 〈10月~5月〉午後3時から(10月の体育の日以降5月中旬)、
〈5月~10月〉午後8時半ごろから(5月中旬~10月の体育の日)
休日 火・土曜、祝前日、天候が悪い日
 

今の時期とれている魚介や海草

アカシタ、カレイ、アンコウ、ガシラ、ホウボウ、ミシマオコゼ、イトヨリ、アシアカエビ、モンゴイカ、ヒイカ、ワカメ

4月ごろからは

タチウオ、マダイ、カレイ、イトヨリ、サザエ、シラス

夏ごろ

アジ類、ハモ、エソ、アナゴ、ヒラメ、イトヨリ、ヒメジ、タコ、小エビ

秋ごろ

カマス、ウオゼ(イボダイ)、シログチ、ハマチ、タチウオ、ヒメジ

冬ごろ

イカ類、サバ類、カワハギ、アカシタ、ミシマオコゼ、アシアカエビ、ナマコ

※気候により、変動することもあります

 


ヒイカのぬたヒイカのオリーブオイル焼き

  1. ヒイカはさっと水洗いして水分をよく拭き取リます(大きさにより下 処理をして適当な大きさに切る)
  2. フライパンにオリーブオイルを入 れてつぶしたニンニクも加えて火 をつけます。ニンニクの風味が油 に移ったらニンニクを取り出し、ヒ イカを丸のままソテーします
  3. 仕上げにジェノベーゼソースを加 えて和えてできあがりです。フラン スパンとも相性のいい料理です

ヒイカのオリーブオイル焼きヒイカのぬた

  1. ヒイカはげそを外して、内臓、墨を 取り去り、さっと塩ゆでにします
  2. うちわなどであら熱をとります
  3. ミツバを軽く塩ゆでにして冷水 に落とし、水分をよく取っておきます
  4. 1と3を西京みそで作った酢み そで和えてできあがりです

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