新たな現代病?スマホ老眼に要注意!
- 2016/6/23
- フロント特集
日常生活に便利なスマートフォン。ふと気がつけば、長い時間、間近で見続けていたということはありませんか。それが原因で、年齢が若くても〝老眼〞の症状が表れることが。さらに、40代や50代の老眼が進むスピードを速める原因にもなります。スマホの使い方を見直してみましょう。
自分には関係ないと思っている?
若者にも増えつつある老眼
今や、老若男女を問わず利用しているスマートフォン。仕事で、プライベートで、その便利さから手放せない人もいるのでは。そんな中、スマートフォンを長時間使用することが原因で起こる「スマホ老眼」に悩む人が増えているのを知っていましたか。
通常、老眼は40代前後から自覚症状が表れます。加齢に伴うもので、病気ではありません。眼(め)の中には、カメラのレンズの役割を担う水晶体という組織があり、厚みを変えることで、遠くのものや近くのものにピントを合わせます。しかし、この水晶体は年齢とともに弾力性を失い、調整力が低下。さらに、体の筋力が衰えるのと同じように、水晶体の厚みを調節する毛様体筋(もうようたいきん)の力が弱まります。ピントを合わせる機能が衰え、小さな文字などが見えづらくなるのです。加齢に関係なく、スマートフォンを利用して眼を酷使することによって、このような老眼の症状が表れるのが、スマホ老眼です。
原因や対策について、和歌山県立医科大学眼科学教室教授の雑賀司珠也さんに話を聞きました。危険度チェックリストもあるので、あなたも確認を。
快適なスマホライフを送るために
眼の筋肉が凝り固まった状態に
適度な時間と距離を保って
スマホ老眼の原因は、小さな画面の中の小さな文字を長時間見つめることで、毛様体筋が凝り固まった状態になり、ピント調節機能の低下につながること。また、プライベートだけでなく、仕事の場面でもスマートフォンを使う機会が増加している昨今。「緊張した場面で、集中して小さな画面を見続けていると、無意識のうちにまばたきの回数が少なくなります」そのため、眼の表面が荒れることで、疲れたり、〝眼がショボショボする〞と感じることも。
本や新聞などの紙媒体と違い、スマートフォン自体が強い光を放っています。明るすぎる光が眼に負担を掛けてしまうことも原因の一つです。画面の照明を明るくしすぎないなどの工夫が必要です。紙やパソコンなどは、眼から適度な距離を保ちながら見ることができますが、スマートフォンはついつい顔に近づけて見てしまうことがありますよね。近くを見るときは、毛様体筋に力が入るので、なるべく眼から離して使用することをおすすめします。
スマホ老眼は、若者だけに起こるものではありません。「40代でも、通常であれば、10年先に起こるような、シビアな老眼の症状が表れる人が増えたように感じます」と雑賀さんは言います。年齢のせいだと思っていても、実はスマホ老眼であったり、加齢による老眼と併発して過度に症状が進んでしまうことも。
スマホ老眼を防ぐには、長時間利用し続けないように心掛けることが大切です。ぜひ左記のチェックリストと予防対策を参考にしてみてください。多くの人にとって、日常生活と切り離せなくなりつつあるスマートフォン。眼を痛めることなく、快適な〝スマホライフ〞を送りましょう!