手でつくる楽しみを 和歌山ものづくり文化祭
- 2022/10/13
- フロント特集
11月5日(土)と6日(日)、和歌山城ホールが町工場に!
和歌山県内のものづくり企業が集まり、その技術を伝えるイベント「和歌山ものづくり文化祭2022」が、11月5日(土)と6日(日)和歌山城ホールで初開催。地元で育まれてきた職人の技を見て、体験しましょう。
木目や節など個性生かす
建具は伝統と現代風の二刀流
和歌山県は木工建具の生産地。伝統を守る一方、職人たちが培ってきた技術を駆使し、デザイナーとコラボするなど、和・洋室に合うデザイン障子などを生み出しています。熟練の感覚を研ぎ澄まし、ミリ単位の厚さで削り出される木材は手仕事ならでは。太田強aさんは「天然木は育った環境で木目や節など表情がさまざま。同じ製品でも個性があります」と言い、そっと木に触れます。組子細工で遊びながら、職人の技や木工の楽しさを味わいましょう。
金属板を自由自在に操る
精密さが求められる板金加工
金属の板を切断、曲げ、溶接などの加工を施す板金の中でも、より高い精度が求められる精密板金。電子機器や通信機器など、私たちが普段、目にするものの多くがその技術によってつくられています。「機械化が進んでいるものの、最後の味付けは人の手。金属の種類によって性質が異なり、それぞれの特徴を考えながらつくるのは楽しく、奥深いところです」と、手を動かす岩橋昭宏さん。ランタンづくりを通し、板金の次代の可能性や魅力を感じて。
紀北地域の20社が一堂に集結
職人による実演やワークショップ
製造業や伝統産業など地域の町工場が、業種の垣根を越えて集まり、“ものづくり”の魅力を発信する体験型イベント「オープンファクトリー」が全国で拡大中。普段会う機会のない職人から直接、製品に対する思いやこだわりを聞き、体験を通してものづくりの醍醐味(だいごみ)を味わえると、各地で人気が高まっています。
和歌山県内では今秋、紀北地域の20社が集結。11月5日(土)と6日(日)の2日間、和歌山城ホール1階展示室で「和歌山ものづくり文化祭2022」が初開催されます(主催=和歌山オープンファクトリー推進委員会)。両日午前10時~午後5時、入場無料。
テーマは「ものづくりの未来を創る、体験と学び」。金属加工や木工、漆芸、繊維など16ブースが並び、職人たちが実演やワークショップを通して地域で受け継がれてきた技術を伝えます。また、会場装飾も見どころの一つ。木組みの入場ゲートや段ボールの間仕切りを自分たちで手掛けるなど遊び心がいっぱいです。
同文化祭実行委員長で菊井鋏(はさみ)製作所の菊井健一さん(写真)は「会場が一つの工業団地のようになります。地域の人と触れ合うことで、私たちのものづくりを身近に感じ、そして楽しんでもらえればうれしいです。会場で会いましょう」と話しています。
11/5(土)・6(日)
職人と出会い、技を体験しよう
当…当日受け付け 事…事前申し込み
イベントの申し込みや参加費など、
詳細は「和歌山ものづくり文化祭」のホームページで確認を▶(HPはこちら)
見せ、飾る収納
女性職人と作る桐箱
ME MAMORU(家具のあづま)
当 事
桐箱製作の全工程を体験。仕上がりのデザインを1種選び、女性職人と一緒につくり上げます。製作時間は3~4時間、短時間で完成するショートバージョンもあり。
見て・触れて・感じて
エコファーボール
OKADA TEXTILE(岡田織物)
当 事
毛皮と同じような手触り、天然毛皮の「エコファー」。たくさんの種類の中から、お気に入りの組み合わせを選び、オリジナルのエコファーボールをつくります。
丸編みニットの今昔
極上素材に触れよう
MALU(エイガールズ)
当 事
和歌山県の丸編みニットの歴史や高級メゾンブランドにも採用されている同社が誇る極上素材について解説。インナーブランドウエアの肌触りも体験できます。
金属板を折り曲げる
キャンドルランタン
岩橋シートワーク
当 事
金属の板を機械を使わず、自分の手で折り曲げて作るLEDキャンドルのランタン。折り紙のようにきれいに曲げるコツも伝えてくれます。目指せ90度。
段ボールでデザイン
ランタン・ランプシェード
寺本紙器
当 事
段ボールの断面の波模様など、素材の持ち味を生かし、ランタンやランプシェードをつくります。いくつかのタイプが用意されているので、好みのものを見つけて。
金型職人に学ぶ
キラリと輝く、コイン磨き
–技衆– Team 輝のくに
当 事
ものづくりに関わる企業5社が集まり、それぞれの技術を伝授。コインを研磨し、キーホルダーやアクセサリーをつくります。コツを知り、ピカピカに輝かせましょう。
大工が伝える伝統技
木組みの箱
大彦
当
大工の伝統技術でもある木材加工を体験。目印を付ける「墨付け」、ノミやカンナで加工する「手刻み」などの技術を用いて、木組みの箱をつくります。
アルミの丸棒を平らに
刻印入りキーホルダー
菊井鋏製作所
当 事
はさみづくりに欠かせない道具を使い、刻印の入ったキーホルダーづくりにチャレンジ。アルミの丸い棒をハンマーでたたき、平らに形を整える、その過程も楽しんで。
天然素材の良さ実感
シュロキッチンブラシ
Broom Craft(深海産業)
当 事
掃除しやすいよう、先端に施されたカットがポイント。シュロの木の皮の繊維を束ねてキッチンブラシを完成させます。天然素材の良さを実感してください。
糸作りから考える
クリスマスオーナメント
林撚糸
当
糸の組み合わせを考え、複数本を一緒にねじり、オリジナルの糸をつくります。完成した糸はグルグル巻いて、ツリーやリースなど、オンリーワンのクリスマスオーナメントに。
糸処理と履き心地体感
5本指ソックス
ニッティド
当
5本指ソックスの最終工程の糸処理を、特殊工具を使って行います。指先一本一本の糸に対する細かな作業に加え、その履き心地も味わって。
くぎを使わず幾何学模様
組子細工のコースター
KITOTE(中井産業)
当
ふすまや障子などの建具に用いられる組子細工に挑戦。くぎや金具を使わず、細い木材を組み合わせて幾何学的な文様に仕上げます。
走らせてみよう
ミニソーラーカー
和歌山大学ソーラーカープロジェクト
当 事
太陽光で走る、手の平サイズのミニソーラーカーをつくります。ソーラーパネルやモーター、タイヤを取り付けて出来上がり。光を当て実際に走らせてみましょう。
スクリーンプリント
オリジナルのTシャツ
WAKAYAMA WOODYS
当
シルクスクリーンの印刷技術を伝授。版板に好みの色のインクを付け、「ものづくり文化祭」のロゴを印刷するなど、オリジナルのTシャツを完成させます。
気分は研究者
もちふわ触感のスライム
三木理研工業
当
もちもち、ふわふわ触感のスライムづくり。材料を少し変えることで、さまざまな触感に変化します。研究者気分を味わいながら、自分好みの触感が発見できるかも。
漆器の塗り加工
曲げわっぱに絵付け
町宗工芸
当 事
海南市黒江の伝統産業「紀州漆器」の絵付けを体験。シルクスクリーンの技法を使い、パンダなどの絵柄を曲げわっぱに印刷します。