花壇を見て平和の大切さを
ロシアがウクライナに軍事侵攻を始めたのは今年2月のことで、収束の糸口さえ見えません。和歌山ろうさい病院(和歌山市木ノ本)は、平和への願いと同国を応援したいとの思いがあり、7月に同病院北側駐車場入り口横に「ウクライナ花壇」を作りました。
ウクライナの国花であるヒマワリなどを植えていましたが、きれいに咲いた花を維持することは難しく、花が散ったあとの花壇の活用法に悩んでいました。そこで、県立紀北農芸高校(かつらぎ町妙寺)に相談したところ、同校施設園芸科が協力することを快諾。同校の教員や実習助手、花チームの3年生7人の生徒がアイデアを出し合い、パンジーとビオラを使って青色と黄色のウクライナ国旗を表現すること提案しました。
8月末から同校内で大きく育て、約1カ月後にポットに鉢上げ。花の根が土にしっかりと張るまで待ち、11月24日に花壇に移し替えることを決定。同日、約300株のポットをトラックに積み込み、同校の茂田嘉朗校長と教員、苗の生育に携わった実習助手と生徒たちが病院を訪れました。ウクライナの国旗の色の配置を確認しながら、花壇への移し替え作業を実施。約1時間かけて「ウクライナ花壇」が見事に完成しました。
茂田校長は「本校では地元の施設に花を植える実習などを行っていますが、今回は平和への祈りを込めた花の育成と植栽でしたので、実習の意義は大きいと思います」と話し、同病院の南條輝志男院長は「きれいな花壇が完成し、ありがたく思います。来院者や職員の癒やしになり、平和の大事さを知るきっかけになれば」と期待を込めます。
今後は病院スタッフや定期的に学校関係者が花の育成に携わり、半年ほどは咲き誇る花が楽しめるそうです。
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