尿検査の「たんぱく尿」や「尿潜血」
自覚症状が少ない腎臓の病気
生活習慣病が原因で起こることも

健康診断などの尿検査で「たんぱく尿」や「尿潜血」の結果が出ても、放ったままにしていませんか。尿検査は腎臓の病気を発見するための大事な検査。児玉病院の院長・児玉直也さんに話を聞きました。

健康診断の結果を見逃さないで

日本の成人の8人に1人が患っているとされる、腎臓の働きが低下していく病気「慢性腎臓病」。進行して透析治療を受けている人は、全国で約34万人、和歌山県で約3000人といわれています(日本透析医学会・わが国の慢性透析療法の現況2018年12月31日現在)。

腎臓は、心臓から送られてくる血液をろ過し、体に必要なものは再吸収、老廃物は尿として体外に排出する働きがあります。他にも、血圧やミネラルバランスの調節、血液をつくるホルモンの分泌、骨の強度を保つビタミンDを活性化させる役割も。そのため、腎機能が低下すると、心臓や脳などの臓器、骨にまで影響が及びます。

しかし、自覚症状がほとんどないのが腎臓の病気。日本腎臓学会会員、日本透析医学会専門医で、児玉病院・院長の児玉直也さん(写真・和歌山市友田町)は、「“体調がすぐれない”と病院を受診したときには、すでに腎臓の状態が悪化している場合もあります」と現状を伝えます。

少しでも早く症状に気付くには、健康診断の尿検査(たんぱく尿、尿潜血)や血液(クレアチニン値=筋肉でつくられる体内老廃物)の結果を見逃さないことです。また、たんぱく尿は足のむくみや尿の泡立ち(消えにくい・多い)、尿潜血は紅茶のような濃い色の尿(真っ赤の場合は泌尿系が疑われる)に気をつけて。 児玉さんは「運動や風邪などが原因の場合もあるので一概には言えませんが、たんぱく尿や尿潜血が見られると、腎臓内の血液のろ過を行う糸球体(しきゅうたい)が炎症を起こし、血液中のたんぱく質や赤血球が尿に混ざる腎炎が疑われることもあります。まずは医療機関での受診をおすすめします」と話します。

最近は生活習慣病が原因で腎臓病になる人が増加傾向とも。塩分を控えた食事、適度な運動などが大切とし、「1日に摂取した塩分量などは尿検査で調べられます」と説明。その上で「自身の体の状態を知るために、定期的に特定健康診査などの健康診断を受けることが大事」と話しています。

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