二極化が加速、企業研究してから相談
家づくりのカギとなるのは、信頼できるパートナー探しから。今回は、「工務店」の個性・特徴について、「浅井良工務店」(和歌山市築港)の代表取締役・中口勝之さんに話を聞きました。
工務店に明確な定義はなく、少人数で設計から施工まで手掛ける小規模なところもあれば、ハウスメーカーとフランチャイズ契約をしているところ、分譲地開発を手掛ける比較的規模が大きいところもあります。そうした中で、「地元に地盤を置く工務店をパートナーに選ぶメリットとして共通して言えるのは、“地域密着”ではないでしょうか」と中口さん。さらに、「得意とする工法や対応力が違い、価格帯もさまざま。だからこそ、こだわりや予算に合った家を提案してくれるパートナーと巡り合えるのも、工務店での家づくりの特徴」と付け加えます。
地域密着の何が利点かといえば、地の利を生かした土地探しから、地元の気候や風土に合わせた建築まで、地域性を熟知しているからこその提案が受けられます。アフターケアもすぐに駆けつけてくれて良心的。また、仕様や規格が統一され、大半が工場でつくられるハウスメーカーの「プレハブ住宅」とは異なり、現場施工で、間取りや構造など自由度が高いのも魅力。完成した“わが家”では至るところで大工の職人技が感じられる分、技量で“出来”が左右され、現場組み立てののプレハブ住宅に比べると、工期もやや長めにみておかなければいけません。「当社は、施主の要望を聞きながら設計図を描き、希望される資材を仕入れて、自社大工が施工します。今、自社大工を抱えている工務店は少ないですが、造作家具まで考えている人は、パートナー選びの一つの指標になると思います」とのこと。一方で、建材と設備は大量発注・生産、デザイン・間取りはプラン化したローコスト住宅で受注を伸ばしている工務店もあり、「価格はピンからキリまで。ますます二極化が進んでいます」と。
最後に、昨今の家づくりの傾向として、「インターネットで情報収集ができる時代。かなり住宅会社を研究した上で相談に来られる方が増えてきています。住宅展示場には行かず、初めから工務店を巡る人も見受けられます」と教えてくれました。
関連キーワード