大改造!! 劇的ビフォーアフター 悲しき宿命
今月1日に発表された流行語大賞。芸能、政治、スポーツと流行語豊作の年だった。実は今から11年前、あるテレビ番組も流行語トップ10入りを果たしている。ABCテレビ「ビフォーアフター」。家をリフォームするというダイナミックな企画が社会現象となった。洗練された曲と、「なんということでしょう」という名フレーズは、唯一無二の世界観だ。現在も日曜夜8時という視聴率激戦区の中、放送している。放送開始当時は高視聴率だったが、今は10%前後が定位置。平均視聴率は日本テレビ「イッテQ」、NHK大河ドラマに次いで3位に甘んじている。
流行語入りしたのに、なぜ? 一つは企画が飽きられているということがある。そして、もう一つ、ビフォーアフターという企画ならではの悲しい特性が。それは「ビフォー」と「アフター」がどう変わるのか、そこしか興味を持たれていないこと。つまり、リフォーム前とリフォーム後の家を交互に紹介する8時35分過ぎまでは、数字が伸びないのだ。この傾向に「ビフォーアフター」の関係者も嘆いていた。「なんということでしょう」と。
文:岡内義人
読売テレビ「す・またん」「かんさい情報ネットten.」「土曜はダメよ」、ABCラジオ「桑原征平粋も甘いも」などの番組構成を担当中。
※次回は年末年始号に掲載
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