“家族が豊かに暮らす家”をテーマに
フルオーダーの注文住宅なら、こだわりを反映した唯一無二のマイホームがかないます。一方で、ゼロからの家づくりのため、どんな家にしたいか、戸惑う声も。シリーズ11回目は、「ユニテクノス建築設計事務所」(和歌山市紀三井寺)の代表取締役・北村雅信さんが、住まいのイメージづくりについてアドバイスします。
「多くの人にとって家を建てるのは一生に一度。住みたい家を具体的に表現するのは難しいですよね」と話す北村さん。「最近はSNSなどで住まいの情報を気軽に収集しやすい反面、偏ったイメージにとらわれることも」とも。「見た目の印象はもちろん大事ですが、 “豊かに暮らす”をテーマに要望を挙げると、住み心地がよく、愛着のわくわが家が実現します」
「キッチンを広めにして料理を楽しみたい」「愛犬のためにドッグランを設けたい」など、新しい家で心豊かに過ごせる要素を、家族一人一人がリストアップを。ここで家族一人一人とあえていうのは、ライフスタイルが多様化する現代、家づくりにも個人のニーズに応じた住まいの形が求められているから。「例えば、ひと昔前ならリビングは家族全員でテレビを一緒に見てくつろぐ場所でした。しかし今は、子どもの遊び場や勉強スペース、大人の書斎やワークスペースなど、空間を多目的に共有する意味合いが強くなっています」と、北村さんは説明します。
「設計士は挙がった要望をカスタマイズし、家族構成やライフスタイルを踏まえた間取りや動線を考慮して、プランを組み立てていきます。要望が多ければ多いほど、設計士のモチベーションが上がりますよ」と、北村さん。
「家づくりは人生の棚卸し。これを機に、ライフステージを明確にするのもいいですね。子どもが巣立って夫婦2人だけになっても住みやすい、可変性のある住まいの選択肢も増えます」と話していました。

設計から施工管理まで対応する「ユニテクノス建築設計事務所」の住宅の一例
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