プロに相談して性能とデザインを両立
中古住宅で、間取りや内装を自分好みにリノベーション。でも、安全性や快適性を考えるなら、住まいの基本性能にも目を向けたいもの。シリーズ4回目は、パナソニック・リフォーム・クラブ「木地由ナショナル建材社」(和歌山市栗栖)の代表取締役で、1級建築士の山下昌洋さんに、中古住宅のリノベの注意点を聞きました。
中古物件を購入するメリットは、「価格が新築より割安」「立地の選択肢が広い」「実物が見られる」などが挙げられます。特に和歌山県は、住宅全体に占める空き家の割合が21・2%と、徳島県と並んで全国トップ(総務省「令和5年住宅・土地統計調査」調べ)。「そのため、販売場所や時期が限られる新築よりも、物件数が多く、希望するエリアで見つけやすいといえます」
一方で、「築年数が古いほど建物の劣化が目立ち、安心して暮らすためには修繕が必要です」と、説明。家の耐久性や省エネ化に重きを置くなら、耐震補強や、屋根・外壁・基礎の破損やひび割れの修復、天井・壁・床・開口部の断熱化など、建物全体の改修が理想的とのこと。「天井や壁、床をはがして断熱材を交換したり、筋交いや耐力壁、制震ダンパーを追加したりなど、大掛かりになることも。その場合は部分的なリフォームと比べ、工期が長く、改修費も高くなります」。とはいえ、予算には限りがあります。「依頼する業者に改修の優先順位や予算の相談を。窓・サッシの交換や内窓の設置など、予算を踏まえた現実的な断熱リフォームも可能です」
「行政の補助事業を利用するのも手」とも。「子育てエコホーム支援、先進的窓リノベ、給湯省エネ、長期優良住宅化リフォーム推進など、さまざまな事業がありますよ。補助金の申し込みは、事業に登録している業者が、依頼主に代わって行います」。そのため、制度の仕組みや条件を熟知した登録業者に依頼した方が、補助金を最大限に活用したリノベがかないそう。「改修内容に食い違いがないように、住まいや暮らしの不満や要望をじっくり聞き、柔軟に対応する業者がおすすめです」と、山下さんはアドバイスしてくれました。
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