老後も暮らしやすい造りが人気
初めて建てるマイホーム。どんな家にしようか、何にこだわろうか、悩みますよね。新シリーズ「夢をかなえる! マイホームの選択肢」では、戸建て住宅に焦点を当て、その種類と特徴を紹介。初回はここ数年、注目度が高まっている「平屋」を解説します。
国土交通省の「建築着工統計調査 建築物着工統計」によると、平屋の着工統計数は2021年から23年まで毎年5万5000棟を超えていて、全国的に増加傾向となっています。
注文住宅の市場や傾向を調査・発表する「2023年注文住宅動向・トレンド調査」(リクルート)でも、注文住宅の動向の一つとして、「平屋建て」に着目。全国の住宅建築者が平屋建てを選ぶ割合が上昇していて、全体の20・6%、つまり5人に1人が平屋建てを選択しています。平屋建てを選んだ理由に、「老後も暮らしやすい」がトップ。次いで、「家事がしやすい」「家族とつながりやすい」など、暮らしの利便性向上に関連する理由が上位に上がっているのが特徴です。また、「地震などの災害に強い」という理由も挙げられていました。
「都道府県別平屋率」(リクルート「スーモジャーナル」22年調べ)を見ると、トップ3は宮崎県、鹿児島県、沖縄県。熊本地震をきっかけに地震や、また台風など、防災を意識した家づくりに関心が高い土地で、建物の高さがなく、揺れに強い平屋が受け入れられているのでは、と分析されていました。
一方、平屋率が最も低いのは東京都で、神奈川県、大阪府が続きます。平屋は基礎部分が大きいため、ある程度、敷地の広さが必要になり、土地代もかさみます。そのため、都市部よりも郊外や地方の方が、平屋を建てるメリットは高そうです。
ちなみに、和歌山県の平屋率は全国16位。土地の豊かさや南海トラフ地震への対策など、平屋に適した県なのかもしれませんね。
南海トラフ地震がいつ起きても不思議ではない和歌山県。家族を守るためにも、防災の一環として、耐震にこだわった家づくりをしたいですね。
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